Project/Area Number |
23K13399
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 22020:Structure engineering and earthquake engineering-related
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
坪倉 佑太 松江工業高等専門学校, 環境・建設工学科, 助教 (40964846)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 維持管理 / 飛来塩分 / 腐食 / WRF |
Outline of Research at the Start |
海塩粒子は,鋼橋の鋼材腐食やコンクリート橋の塩害を助長する.したがって,これら構造物の維持管理のためには,内陸に飛来する海塩粒子量の把握が重要となるが,近年の計算機性能の向上に伴って,大気中の海塩粒子濃度の広域的な予測が可能になりつつある. 一方で,将来の日本に目を向けると,地球温暖化によって比熱の異なる陸地と海洋では現時点以上に温度差が大きくなり,地球規模で風環境が変化することが見込まれる.本研究では,気象モデルWRFを用いて,地球温暖化を考慮した将来の日本全域に飛来する海塩粒子量を推定し,数十年後の日本の腐食環境を詳細に明らかにすることで,現行の維持管理基準の将来的な妥当性を検討する.
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Outline of Annual Research Achievements |
塩分による鋼橋梁の腐食過程をまとめると,①塩分が飛来,②塩分粒子の構造物への付着,③付着塩分の降雨等による離脱,④残存塩分による部材の劣化の進行,と分けられる.本研究はこのうち,①を研究対象としており,領域気象モデルWRF/Chemを用いて,現在および将来気候下での飛来塩分量を算出することを目的としている.現行の道路橋示方書では,既往の観測結果を基に離岸距離等に応じて耐候性鋼橋梁の無塗装使用の可否基準を決定しているが,将来的に腐食環境が大きく変化するのであれば,基準を見直す必要性も考えられ,将来気候下での飛来塩分量および腐食環境を推定することは重要といえる. 本年度は,気象モデルWRF/Chemによって,現在気候における飛来海塩粒子量の予測を行い,また,観測値と比較することで,その推定精度の検証を行った.解析対象地点は中国地方とし,特に松江工業高等専門学校地点での飛来塩分量を抽出し,観測結果と比較することで十分な推定精度があることを確認した. また,将来気候下における飛来塩分量の推定に向け,IPCCのシナリオを基に,地球の温暖化が進行した場合の日本における風環境の解析を進めた.具体的には,海水温を擬似的に上昇させた解析ケースを複数用意し,現在気候下の解析結果からの変化の様子を評価した.結果として,海水温に応じて風環境は変化し,飛来する塩分量もこれにより変化することが見込まれることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
解析においては,気象モデルWRF/Chemを用いて,日本全域を空間解像度9 km,解析対象期間を2013~2023年の10年間と設定し,現在気候における飛来海塩粒子量を算出する予定であったが,解析負荷が大きく,進捗に遅れが生じ,当初予定に比べ進捗が芳しくない.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は,2023年度をもって終了予定である.
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