Project/Area Number |
23K13435
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 22060:Environmental systems for civil engineering-related
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
坂本 幸子 (渋谷幸子) 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (40965886)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 深部地下圏 / メタン生成反応 / 廃水処理リアクター / 地下圏生物的メタン生成機構 / 未知微生物 / 廃水処理装置 / 培養 |
Outline of Research at the Start |
地下圏に賦存するメタンはその20%が生物起源であり、地下圏における微生物活動はエネルギー資源、炭素循環の観点から重要である。一方で、地下圏で生物が利用可能な有機物の濃度は非常に低く、このような低エネルギー環境において微生物がどのようにエネルギーを獲得し生存し得るのか、その実態は不明である。本研究は地下圏生物的メタン生成において中核的な役割を担う微生物群の動態とエネルギー獲得を巡る生存戦略を明らかにする。特に、排水処理技術を応用したリアクターを用い、有機物濃度を従来よりも100倍以上低い低濃度の条件で地下微生物の連続培養を行い、培養化された微生物群の系統やエネルギー代謝の代謝様式を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
地下圏に賦存するメタンはその20%が生物起源であり、地下圏における微生物活動はエネルギー資源、炭素循環の観点から重要である。一方で、地下圏で生物が利用可能な有機物の濃度は非常に低く、このような低エネルギー環境において微生物がどのようにエネルギーを獲得し生存し得るのか、その実態は不明である。本研究は、地下圏生物的メタン生成において中核的な役割を担う微生物群の動態とエネルギー獲得を巡る生存戦略を明らかにする。特に、廃水処理技術を応用したリアクターを用い、有機物濃度を従来よりも低い低濃度の条件で地下微生物の連続培養を行い、培養化された微生物群の系統やエネルギー代謝の代謝様式を明らかにする。 今年度は、連続培養で用いる廃水処理技術を応用したリアクターに関して、中空糸膜を利用した新規培養システムを組み、嫌気環境で嫌気微生物の連続培養が行える状態であることを確認した。また、日本国内の油ガス田で地下試料を採取して、複数の有機物を基質として、複数の濃度で集積培養を行い、それぞれの集積培養系内のメタン生成と微生物群集の系統に関して特徴を明らかにした。集積培養系のメタン生成と系統解析の結果を踏まえて、連続培養で植種汚泥として利用する地下試料及び有機物の選定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
連続培養で用いる廃水処理技術を応用したリアクターに関して、培養システムを組んだ。次に嫌気性細菌の一種であり、炭層などの地下圏環境でも頻繁に検出されるバクテリアAcetobacterium属細菌の培養をリアクターで行い、嫌気状態で連続培養できる状態であることを確認した。また、国内の油田、炭田、ガス田から地下試料を採取し、複数の有機物濃度で集積培養を行い、集積培養系内の微生物群集の系統に関して特徴を明らかにし、リアクターの植種源として利用する試料の選定を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
構築した連続培養システムで、前年度選定した地下試料を植種源として用い、連続培養実験を開始する予定である。定期的にリアクター内のガス、培養液を採取し、代謝産物の評価を行い、リアクター内で微生物群集を安定して維持できているかを確認する。また、安定して培養できていることを確認できた後に、有機物濃度を徐々に変動させ、培養系内の個々の微生物の系統及び遺伝子発現量を評価し、有機物濃度の違いで、エネルギー代謝に関し、どのような代謝様式が用いられるのかを明らかにする。
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