Project/Area Number |
23K13443
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 23010:Building structures and materials-related
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Research Institution | Hachinohe Institute of Technology |
Principal Investigator |
野口 巧巳 八戸工業大学, 工学部, 講師 (90966491)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 耐凍害性 / 細孔構造 / 乾燥 / 混合セメント / 置換率 |
Outline of Research at the Start |
コンクリートの耐凍害性は乾燥による細孔構造変化に伴い低下することから、普通ポルトランドセメントを利用したコンクリートを対象として乾燥を考慮した凍害劣化予測手法が確立されてきた。一方で、環境負荷低減の観点から混合セメントの利用が拡大されている。 混合セメントにおいては乾燥による細孔構造変化のメカニズムや程度が異なることが明らかとなっているため、先に提案された乾燥を考慮した凍害劣化予測手法の適用範囲は限定的である。 そこで、本研究では混合セメント系硬化体における乾燥による細孔構造変化のメカニズムを把握、予測モデルを作成し、乾燥を考慮した凍害劣化予測手法の適用範囲を拡大することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては高炉セメントおよびフライアッシュの置換率の異なるモルタルに対して、水銀圧入法による細孔構造の測定を行い、乾燥による細孔構造変化および直径40~2000nm細孔量の変化性状の把握を行った。 その結果、乾燥養生4週においては高炉セメントを用いた場合は普通ポルトランドセメントのみの場合と比較して100nm付近の細孔量増加量は小さくなった一方で、直径10~50nm付近の細孔量が特に増加した。この結果は既往の高炉セメントB種に対する乾燥後の細孔構造測定結果と一致する。また、この傾向は置換率が高いほど顕著にみられた。直径40~2000nm細孔量に対しては、高炉スラグ微粉末の置換率が上昇するにしたがって直径40~2000nm細孔量は小さくなる傾向が得られており、その原因としては前述の細孔量の変化に加え高炉セメントによる潜在水硬性に伴う緻密化の影響が考えられる。 一方、フライアッシュを用いた場合は高い乾燥温度における細孔径分布は普通ポルトランドセメントのみを用いた場合と同程度の変化を示していたものの、乾燥温度が低くなるにしたがって細孔径のピーク径および細孔量が段階的に乾燥前の条件に近くなる挙動を示していた。ただし、置換率による明確な差は見られなかった。フライアッシュセメントを用いた場合に関しては、材齢4週以降の緻密化は見られなかったため、直径40~2000nm細孔量の変化は50℃乾燥の条件においては普通ポルトランドセメントのみを用いた場合と同程度であったものの、乾燥温度が35℃の条件下においては普通ポルトランドセメントのみを用いた場合と比較して直径40~2000nm細孔量の増加程度は若干抑えられている傾向が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
検討の主要となる水銀圧入を行う試験装置が複数回故障し、その修理に時間がかかったため。 現在、随時測定を継続しているが、測定できていないサンプル数がかなり溜まっている状況である。 また、測定の遅れに伴い研究成果の発表・投稿も行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の実験では行えていない温湿度条件や乾湿繰返し条件などの養生条件で乾燥させた際の細孔構造変化の測定を行う。基本的な推進方法や測定方法は前年度を踏襲して行うが、水銀圧入法に使用する機械が故障することに備えて今年度の実験の実施を早める。また、昨年度実施できていない測定は今年度の実験計画の作成と平行して実施していく。 当初の研究計画においては、測定するサンプル数が非常に多く、不具合があったときに研究進捗の遅れの挽回が困難になっていたため、今一度実験の測定条件を見直し、不要な条件は除いて実験のスリム化を行う。 研究成果の発表・投稿に関しては、前年度測定予定であった条件の結果が得られ次第投稿予定であり、その後今年度実施予定の成果も加えて投稿する予定である。
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