Project/Area Number |
23K13445
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 23010:Building structures and materials-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
堀川 真之 日本大学, 工学部, 講師 (50794525)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | ポストピーク挙動 / 寸法依存性 / 積分点の支配長さ / 正則化 / 有限要素解析 / 圧縮破壊 / 座屈破壊 / 鉄筋コンクリート / 性能評価型耐震設計 / 構造解析 / ポストピーク |
Outline of Research at the Start |
鉄筋コンクリート(以下,RC)造建物の応答を予測する1つの強力な計算ツールとして有限要素解析が挙げられる。この手法の欠点は,予測されるRC造建物の最大ベースシアとポストピーク挙動が設計者の選択する要素寸法に大きく依存する点である。本研究では,このような寸法依存性の問題を破壊力学分野の知見を用いて解決し,地震力を受けるRC造建物の応答を一意に決定できる性能評価解析手法の確立を目指す。具体的には,近年の地震災害調査結果に基づき,コンクリートの圧縮破壊により応答が支配される破壊モードに研究の焦点を絞り,想定レベルを超えた巨大地震に対してもRC造建物の強度と靭性能を保証できる構造解析手法を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
破壊力学の概念と鉄筋コンクリート骨組の有限要素定式化を融合した要素寸法に依存しない性能評価解析手法,いわゆる,正則化手法の構築を目的として,2023年度は「研究課題:積分点の支配長さを考慮したコンクリート応力-ひずみ関係の構築」を設定した。得られた研究実績は2つに大別できる。 <研究実績Ⅰ>:コンクリートの要素等価長さが積分点の支配長さに等しいことを有限要素定式化の観点から理論的に誘導することに成功し,それを用いたコンクリート応力-ひずみ関係の構築方法を提案した。また,その信頼性を担保するため,8体の歴史的実験データとの照合を通じて,提案手法の妥当性を定量的に評価した。その結果,積分点の支配長さを考慮しない従来法に比べ,ポストピーク応答のバラツキ(「寸法依存性」と呼ぶ。)を最大で17%軽減できること等を明らかにした。<研究実績Ⅱ>:当初計画していた研究がおおむね順調に進んでいたため,新たに研究実績Ⅰを鉄筋応力-ひずみ関係の構築へ応用することを試みた。その結果,座屈破壊(Buckling following compression failure; CB破壊)する鉄筋コンクリート造耐力壁の応答に対しても要素寸法に依存しない客観的な手法であることを確認した。具体的には,その寸法依存性を最大で35%軽減できること等を示した。 2024年度は,本年度に取り組んだ応力-ひずみ関係の構築方法が,幅広い破壊モードを推定し得る可能性を鑑みて,他の破壊モード,例えば,破断破壊(Bar rupture following buckling; BR破壊)への応用を新たに予定している。BR破壊は,福島県沖地震(2022年)やカンタベリー地震(2011年)にて被災した鉄筋コンクリート壁等で確認されており,この挑戦は,国内外における学術研究と耐震設計法の発展に大きく貢献できるものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は当初計画していた課題を予定より早く達成することができた。その過程において構築した提案手法が,当初予期していなかった複数の破壊モードへ柔軟に適用できることが垣間見えた。このことから,年度内の残された時間を研究の前倒し期間と位置付けるのではなく,研究の発展性を優先することにして,座屈破壊(CB破壊)への応用を試みる方針を選択した。その結果,前述の新たな知見を得ることができたため,その判断は適切であったものと考えている。以上の経過から,2023年度の進捗状況は,おおむね順調に進展しているものと判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,当初計画通り,提案手法の信頼性を複数の実験データとの照合に基づき明らかにする。加えて,BR破壊に対する正則化手法の適用性についても検討していきたいと考えている。
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