Project/Area Number |
23K13446
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 23010:Building structures and materials-related
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
中村 慎 神奈川大学, 建築学部, 助教 (10839385)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 方立壁 / 小開口 / 耐震診断 / 耐震改修 / 長寿命化改修 / 1次診断 / 2次診断 / 座屈拘束ブレース |
Outline of Research at the Start |
本研究は、既存RC造建築物の小開口を有する方立壁の耐震診断・改修設計手法の一例を検討するものである。具体的には「建築計画・設備計画等の事由で小開口の閉塞が困難となる方立壁」や「小開口の追加・拡幅を必要とする方立壁」までを対象とし、縮小試験体による部材実験、構造計算プログラムによる解析を行い、同方立壁の耐震診断手法の一例を提示する。さらに、小開口の追加・拡幅が困難と判定される方立壁については「座屈拘束ブレース付きの鉄骨フレーム」への改修を検討する。もって、耐震診断・改修設計手法の増補を図り、既存RC造建築物の長寿命化の促進に寄与することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、既存RC造建築物の小開口を有する方立壁の耐震診断・改修設計手法の一例を検討するものである。具体的には建築計画・設備計画等の事由で小開口の閉塞が困難となる方立壁や小開口の追加・拡幅を必要とする方立壁までを対象とし、縮小試験体による部材実験、構造計算プログラムによる解析を行い、同方立壁の耐震診断手法の一例を提示するものである。さらに、小開口の追加・拡幅が困難と判定される方立壁については、座屈拘束ブレース付きの鉄骨フレームへの改修を検討し、耐震診断・改修設計手法の増補を図り、既存RC造建築物の長寿命化の促進に寄与することを目的としている。 このうち、本年度は縮小試験体を用いた部材実験により、小開口を有するRC造方立壁のせん断耐力を検討している。はじめに、既往の研究で実施している水平載荷実験(1/2 スケールの小開口を有する方立壁付きRC 造骨組の実験)の壁板(柱なし壁)のみを抽出した縮小試験体を製作した。その加力には、逆対称曲げを受ける柱や壁等のせん断実験に用いられる建研式加力、梁のせん断実験に多用される大野式加力ではなく、基礎的なデータ採取を目的とした単純梁式の加力方法を採用した。縮小試験体の実験結果と耐震診断基準等を用いた考察により、一つあたりの開口周比がおよそ0.06かつ壁の長さ方向の中央に設けられる小開口を有する方立壁のせん断耐力が、現行の1次診断、2次診断の考え方の応用により、評価できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は縮小試験体を用いた部材実験により、小開口を有するRC造方立壁のせん断耐力を検討した。はじめに、既往の研究で実施している水平載荷実験(1/2 スケールの小開口を有する方立壁付きRC 造骨組の実験)の壁板(柱なし壁)のみを抽出した縮小試験体を製作した。その加力には、逆対称曲げを受ける柱や壁等のせん断実験に用いられる建研式加力、梁のせん断実験に多用される大野式加力ではなく、基礎的なデータ採取を目的とした単純梁式の加力方法を採用した。縮小試験体のサイズを極力抑え、加力方法を一方向の単調載荷とすることで、載荷治具等にかかるコストを縮減しつつ、目的とする壁板(柱なし壁)のせん断耐力を確認できる計画とした。実験結果より、一つあたりの開口周比がおよそ0.06かつ壁の長さ方向の中央に設けられる小開口については、その小開口の有無や、開口補強の有無によらず、おおよそ同じ最大耐力(せん断耐力)を得ることを確認した。また、そのせん断耐力は、現行の耐震診断基準(1 次診断、2 次診断)の考え方の応用により、評価できることも確認した。 本研究では最終的に、小開口を有するRC造方立壁の耐震診断・改修設計手法の増補を図ることを目的としている。目的の一つである小開口を有するRC造方立壁の耐震診断について、その評価に関する知見が得られており、現在の進捗はおおむね順調と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究では、一つあたりの開口周比がおよそ0.06かつ壁の長さ方向の中央に設けられる小開口については、その小開口の有無や、開口補強の有無によらず、おおよそ同じ最大耐力(せん断耐力)を得ることを確認した。また、そのせん断耐力は、現行の耐震診断基準(1 次診断、2 次診断)の考え方の応用により、評価できることも確認した。 以上の知見をもとに、次年度の研究では、小開口の位置や大きさ、数をパラメータとした縮小試験体(壁板(柱なし壁)のみを抽出した縮小試験体)を製作し、そのせん断耐力について追加検討する予定である。あわせて、小開口の位置や大きさ、数の影響により、耐力低下が大きくなると想定される方立壁の改修手法として、座屈拘束ブレース付きの鉄骨フレームへの改修を検討する。縮小試験体を用いた静的載荷実験と、構造計算プログラムによる解析を行い、小開口を有するRC造方立壁の耐震診断・改修設計手法の増補を図り、本研究課題のまとめを行う予定である。
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