Project/Area Number |
23K13484
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 23040:Architectural history and design-related
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
松井 健太 追手門学院大学, 文学部, 講師 (00860602)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 建築史教育 / 建築批評 / 日常美学 / 雰囲気 / 文学部 / 建築体験 / 建築史 / 建築教育 / 建築鑑賞 |
Outline of Research at the Start |
これまでの〈作家主義型の建築批評〉から脱却し、専門家界隈の狭い範囲でなく建築初学者等も射程に収めた〈主体的経験の建築批評〉の理論的基礎付けを目指す。そこで、19世紀後半ドイツの建築心理学と現代の日常美学の知見を参照しつつ、建築家とは異なる視点から建築経験を語る批評の枠組みと原理を明らかにしたうえで、主体的経験の建築批評言語の習得を新たな建築史教育として位置付け・提案することを試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまでの〈作家主義型の建築批評〉から脱却し、専門家界隈の狭い範囲でなく建築初学者等も射程に収めた〈主体的経験の建築批評〉の理論的基礎付けを目指すものである。今年度は(A)日常における主体的な建築経験の成立場面とその批評ボキャブラリーと、(B)建築史教育の一形態としての建築批評の先行事例という2つを研究対象に設定した。
(A)について「雰囲気」という概念に注目しつつ、どのような雰囲気が日常的な建築体験に関わっているのかを考察した。具体的には、(1)建築空間の創造者としての建築家を想定させる「芸術的雰囲気」、(2)当該の建物を他の建物と比較・連想させる「理論的雰囲気」、(3)建物そのものの存在感を浮かび上がらせる「実体的雰囲気」という3つの雰囲気に分節化した。本研究の成果は、神戸大学の雰囲気学研究所における国際シンポジウムにて学術発表としてまとめた。
(B)については、戦後建築批評教育研究における予備調査として第二次世界大戦以降のアメリカにおける建築史教育の展開を整理した。具体的な展開として、(1)建築設計の視覚性や直感性に対する実証性や論理性が建築史学独自の能力として位置付けられていくなかで歴史が批評と接近していった1940-60年代、(2)建築史学が建築言論としての自律性を確保してこの領域のなかで展開しつつも世紀末に再び新たな局面を迎えた1970-90年代、(3)建築史学がその学問領域を拡大していった結果、一学科としての全体像の把握が困難となったり関係者間で明白な意識を共有したりすることが困難になっていった2000年代以降、という3つの時代区分を提示した。この研究成果は日本建築学会全国大会における学術発表としてまとめた。 さらに所属する追手門学院大学文学部の同僚教員とともに「文学部で建築を語る可能性」と題した座談会を企画し、人文学という観点からいかに空間体験が捉えられるかを議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は本務校着任初年度ということもあり、大学における授業準備や学務対応に当初の想定以上に多くの時間が必要となったため、結果として本研究に充てる時間が減ってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、主体的経験の建築批評の参照項として19世紀後半ドイツの建築心理学理論にまで対象範囲を広げるとともに、引き続き建築史教育の一形態として建築批評を取り込んでいる建築教育プログラムの先行事例に関する調査も継続する予定である。
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