Project/Area Number |
23K13496
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 24010:Aerospace engineering-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
小川 秦一郎 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 助教 (00906935)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | スクラムジェットエンジン / マイクロロケットトーチ / モード解析 / 波長可変半導体レーザー吸収分光法 / 背景型シュリーレン法 / 点火器 / NOx / 最適設計 |
Outline of Research at the Start |
スクラムジェットエンジンの実現には,CO2削減および低NOx化が求められている.本研究では点火器に着目し,「スクラムジェット燃焼器内で強制着火及び保炎に至るまでの物理現象」と「トーチ噴射ガスの物性値」を解明できるマイクロロケットトーチの最適設計を目的とする.そのために,①動的モード分解を用いた燃焼器内での強制着火及び保炎メカニズムの解明,②波長可変半導体レーザー吸収分光法と背景型シュリーレン法を用いたトーチ噴射ガスの詳細な物性値の解明,③NOxを抑制した点火器を最適設計するための物理モデルを構築する.これにより,低NOx化したスクラムジェットエンジンの研究開発の足掛かりとなる.
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Outline of Annual Research Achievements |
超音速流中で安定した着火・燃焼の実現に向けて,スクラムジェットエンジン用の点火器であるマイクロロケットトーチを対象に研究を進めている.これまで,本点火器を用いてスクラム燃焼器内で安定して着火できることは明らかとなっているが,着火メカニズムについては不明な点が多い.また,スクラムジェット燃焼器内で水素燃料を理論燃空比付近で燃焼させるとNOx排出量が多くなる問題があり,高高度飛行時にはオゾン層を破壊する可能性がある.そこで,本研究では,「スクラムジェットエンジンにおいて,NOxの排出を抑制しつつ,安定した強制着火と保炎を実現するにはどうすればよいか?」という問いを基に研究を進めている. 本年度は,固有直交分解(POD)と動的モード分解(DMD)を用いて,OH自発光計測画像を解析し,トーチ付きキャビティ保炎器内部での強制着火から燃焼までの燃焼現象を明らかにした.モード解析結果より,キャビティ保炎器内部及びせん断層内部において,マイクロロケットトーチによる燃焼振動が発生していることが明らかとなった.計測手法については,マイクロロケットトーチの噴射ガスの物性値を明らかにするために,波長可変半導体レーザー吸収分光法(TDLAS法)と背景型シュリーレン法(BOS法)を用いた計測手法を開発した.TDLAS法については,計測データに含まれる燃焼振動などによるノイズを除去するためのノイズ除去アルゴリズム(Savitzky-GolayフィルターとK分割交差検証法を組み合わせたノイズ除去アルゴリズム)を開発し,高精度な計測が可能となった.BOS法については,トーチ噴射ガス(火炎)の半径を測定することが可能となり,TDLAS法と組み合わせることで高精度なガス温度計測が可能となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モード解析手法の一種である固有直交分解(POD)と動的モード分解(DMD)を用いて,OH自発光計測画像を対象とした解析手法を構築できた.さらに,構築した解析手法を用いて,マイクロロケットトーチ付きのキャビティ保炎器内部での着火および燃焼現象について明らかにできた.計測手法については,波長可変半導体レーザー吸収分光法(TDLAS法)と背景型シュリーレン法(BOS法)を用いたトーチ噴射ガスの計測装置およびデータ解析手法を開発できた.さらに,計測精度向上に向けて,燃焼振動による計測ノイズを除去するための,ノイズ除去アルゴリズムを構築し,計測精度を向上することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
詳細な物性値の解明に向けて,トーチ噴射ガスの3次元分布データを取得するために波長可変半導体レーザー吸収分光法(TDLAS法)と背景型シュリーレン法(BOS法)を組み合わせた同時計測手法を開発する.さらに,同時計測により取得したデータを用いて,これまで開発してきたモード解析手法により,マイクロロケットトーチの燃焼現象について明らかにする.また,次年度では,主目的であるトーチ噴射ガス内に含まれるNOx排出量の調査に向けて,計測手法の改良およびデータの取得を目指す.
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