Project/Area Number |
23K13499
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 24010:Aerospace engineering-related
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
森下 直樹 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (20815790)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | アストロダイナミクス / 固体推進 / 超小型探査機 / 理論解析 / 数値シミュレーション |
Outline of Research at the Start |
小型宇宙機においては、推進系による姿勢外乱の影響を予め適切に評価することがシステム開発およびミッションの成否に直結する。 本研究では、横推力の方向がステップ的に変化する簡易な探査機モデルの挙動を解析的に求める。 次に、実際の推進系から生じるものに近い時間変化を持つ横推力の影響の数値解析を行って、時間変化する横推力の影響を簡便な表式で定式化することを目指す。 更に、横推力が探査機の姿勢・軌道に与える影響を、小型固体推進系等の試験で取得されるデータから適切に評価するためのプロセスおよび定式化手法を見出す。 これにより、超小型固体推進系を搭載した宇宙機の近い将来の開発に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度の本研究により、燃焼時間内に横推力方向がn回(n = 0, 1, 2,...)変化する単純モデルに基づく定式化の基礎となる、数学的表現の検討を推進することができた。具体的には、スピンする固体モータの点火からt秒後に1回の外乱トルクが加わったときの姿勢角の変化およびそれに起因する軌道のばらつきを定量的に表現する定式化の検討を実施し、ニューテーション運動の時刻歴を表す表式を整理することにより、より一般的なn回の外乱モデルに拡張可能と考えられる表現の基礎を得た。 加えて、より現実の横推力に近い、ランダムなタイミングで横推力の方向と大きさが変化するモデルに基づく定式化の検討に用いる剛体シミュレーションプログラムの作成を行った。具体的には、任意の時刻tに横推力に対応する外乱を与えることで、姿勢・軌道に与える影響を評価することを可能とした、n回の横推力を取り扱う拡張性を有した6自由度シミュレーションプログラムのコア部分を完成させた。 さらに、プロジェクト活動との密接な連携の一環として、小型固体推進系を用いた天体離着陸ミッションの提案・成立性検討に参画し、スピン安定方式の固体モータを用いたシステムとその他の方式を採用したシステムの比較検討を実施した。スピン安定方式に伴うミッションの推力制御の困難性、姿勢・軌道のばらつきによるミッションへの影響を指摘し、その成果を航空宇宙技術誌および宇宙科学技術連合講演会において公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
燃焼時間内に横推力方向がn回(n = 0, 1, 2,...)変化する単純モデルに基づく定式化は、2023年度から2024年度にかけて実施する予定であった。2023年度はこのうち、1回の外乱トルクに対する定式化の検討を実施し、またn回の外乱モデルに拡張可能となる数学的表現の基礎を得るところまで進捗した。このことから、本研究の当該部分の進捗は概ね順調と言える。 より現実の横推力に近い、ランダムなタイミングで横推力の方向と大きさが変化するモデルに基づく定式化の検討については、2023年度から2025年度にかけて実施する予定であった。2023年度は、このうち、剛体シミュレーションプログラムの作成を行うところまでを進めた。このプログラムは、任意の時刻tに横推力に対応する外乱を与えることで、姿勢・軌道に与える影響を評価することを可能としたものであり、n回の横推力を取り扱う拡張性を有しているために、次年度以降の理論検討にも活用できるものであり、2023年度の進捗としては目標通りである。そこで、本研究の当該部分の進捗についても概ね順調と言える。 また、2023年度から2025年度の研究期間全体を通じてプロジェクト活動との密接な連携を行うことに関しては、その一環として小型固体推進系を用いた天体離着陸ミッションの提案・成立性検討に参画し、その成果を航空宇宙技術誌および宇宙科学技術連合講演会において公表するに至った。この部分に関しては、当初の計画以上に進展していると評価する。 以上を踏まえ、全体としては、2023年度の研究は概ね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
燃焼時間内に固体モータの横推力方向がn回(n = 0, 1, 2,...)変化する単純モデルに基づく定式化は、2024年度にかけて引き続き実施する。2023年度に実施した、1回の外乱トルクに対する定式化の検討をn回の外乱モデルに拡張し、単純モデルに対する最終的な数学的表現を得ることを目標とする。 より現実の横推力に近い、ランダムなタイミングで横推力の方向と大きさが変化するモデルに基づく定式化の検討については、2024年度以降も引き続き実施する予定である。2024年度は、2023年度に作成した剛体シミュレーションプログラムを拡張して、n回の横推力の影響を統計的に取り扱うことで、ランダムな横推力発生モデルに対する理論検討を進める。 さらに2024年度は、現実の横推力をサンプルとしたモンテカルロシミュレーションを行うためのプログラム作成にも着手する。 また、2024年度以降も、プロジェクト活動との密接な連携を継続する。具体的には、小型固体推進系を用いた天体離着陸ミッションの成立性検討に引き続き参画する。また、他のミッションに関しても積極的に連携を模索する。 なお、2024年度に本研究の研究代表者が育児休業を取得予定であるために、2024年度の研究の進捗に遅れが出る可能性がある。その場合、対応策として1年間の補助事業期間の延長を行い、2024年度に実施する予定の内容を一部2025年度以降に実施する。
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