Project/Area Number |
23K13502
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 24020:Marine engineering-related
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
稲葉 一輝 北見工業大学, 工学部, 助教 (20967559)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | すす粒子 / ナノ構造 / 酸化反応性 / ディーゼルエンジン |
Outline of Research at the Start |
本研究は,ディーゼル機関より排出されるPM (粒子状物質) を構成するすす粒子の酸化反応性に大きな影響を及ぼすナノ構造の予測手法の構築を目的とする.すす粒子のナノ構造である炭素結晶子サイズ(La)は機関運転条件によって変化することが知られているが,燃焼状態との関係性は定性的な説明に留まっており定量化までは至っていない.本研究では,単気筒エンジンを用いた実機試験によってエンジン燃焼がLaに及ぼす影響の解明を行い,Laを予測する実験式を構築する.得られる知見は,すす粒子の酸化反応性を制御するための燃焼指針の提供に資するものと期待される.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ディーゼル機関より排出されるPM (粒子状物質) を構成するすす粒子の酸化反応性に大きな影響を及ぼすナノ構造の予測手法の構築を目的とする.すす粒子のナノ構造である炭素結晶子サイズ(La)は機関運転条件によって変化することが知られているが,燃焼状態との関係性は定性的な説明に留まっており定量化までは至っていない.本研究では,単気筒エンジンを用いた実機試験によってエンジン燃焼がLaに及ぼす影響の解明を行い,Laを予測する実験式を構築する.得られる知見は,すす粒子の酸化反応性を制御するための燃焼設計指針の提供に資するものと期待される. 令和5年度は,機関回転速度,機関負荷,燃料噴射時期,および燃料噴射圧力を運転パラメータとして実機エンジンを運転し,筒内圧力履歴と排出されるすす粒子を石英繊維フィルタに採取した.筒内圧力履歴から熱発生率や筒内ガス平均温度などの燃焼特性を算出し,採取したすす粒子についてはレーザラマン分光法により炭素結晶子サイズを解析した. 実験・解析結果から,すす粒子の炭素結晶子サイズは機関回転速度の上昇,機関負荷の低下,燃料噴射時期の遅角,および燃料噴射圧力の上昇に伴い小さくなることが確認された.この結晶子サイズの変化について燃焼特性から考察を行った結果,運転パラメータの変更による燃焼時間の変化と結晶子サイズに強い正の相関があることが明らかとなった.すす粒子の結晶子は高温雰囲気で成長することが知られており,今回の実験から燃料が着火してから燃焼終了までを高温滞留時間として定義し,滞留時間を用いてある程度結晶子サイズを予測できる可能性が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では令和5年度に吸気ガス制御装置を導入して過給圧力やEGR率をパラメータにしたエンジン試験を実施する予定であった.しかし,制御装置の電子部品について品薄状態で入手が遅れており,制御装置の導入が未実施であることから「やや遅れている」と判断した.なお,それに伴い計画を一部変更して,令和6年度に取得予定であった他の運転パラメータを変更した試験を令和5年度に実施している.
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度に導入予定だった吸気ガス制御装置を完成させ,過給圧力やEGR率をパラメータにしたエンジン試験を実施してすす粒子のナノ構造の評価を実施する.特にEGR率の影響については筒内平均ガス温度ではなく,燃焼ガス温度の変化を考慮する必要があると予想されるため,2領域モデルによる燃焼特性解析を導入する.また,差動型示差熱天秤を用いてすす粒子の酸化反応性を評価し,ナノ構造との関係性を調査する. 成果発表については令和5年度の実験・解析結果をまとめて国内学会発表を行う.また,その成果をまとめて学術論文誌に投稿を予定している.
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