Project/Area Number |
23K13522
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 25020:Safety engineering-related
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
中山 穣 横浜国立大学, 総合学術高等研究院, 特任教員(准教授) (10804932)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 物理モデリング / ベイジアンネットワーク / 故障リスク / 水素パイプライン / 分散型複合エネルギーシステム |
Outline of Research at the Start |
本研究は、物理モデリングとベイジアンネットワークを統合し、先端複合システムの故障リスクを定量分析可能とする技術を開発する。分散型複合エネルギーシステムの社会実装に向けて、安全性検討は極めて重要な位置付けにあるが、稼働実績が無いために故障データが欠損し、設計段階における高精度な定量リスク分析が長年課題であった。本研究は、物理モデリングを用いた定量リスク分析手法に、機械学習による故障頻度解析と複数同時故障による影響解析を新規追加し、さらにベイジアンネットワークを導入することで故障リスク分析手法を開発する。本成果は、ロボット等の故障リスクを極限まで削減することへの応用が期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、物理モデリングとベイジアンネットワークを統合し、先端複合システムの故障リスクを定量分析可能とする技術を開発することである。分散型複合エネルギーシステムの社会実装に向けて、安全性検討は極めて重要な位置付けにあるが、稼働実績が無いために故障データが欠損し、設計段階における高精度な定量リスク分析が長年課題であった。本研究は、物理モデリングを用いた定量リスク分析手法に、機械学習による故障頻度解析と複数同時故障による影響解析を新規追加し、さらにベイジアンネットワークを導入することで故障リスク分析手法を開発する。 2023年度は、物理モデリングを用いて太陽光発電システム、水素タンク、水素パイプライン、蓄電池システム及び燃料電池を含むエネルギーシステムモデルを構築した。次に、蓄電池システムを事例として、物理モデリングと定性的リスク分析手法HAZOPを用いて複合故障による定量的故障伝播解析を実施した。その結果、管理温度や電池充電率などのプロセス条件が同時に変動した際の熱暴走進展及び発生条件を定量的に分析可能とした。次に、水素パイプラインに対して、教師なし機械学習を用いて、水素供給圧力及び流量の正常状態からの逸脱を故障としたダイナミックシミュレーションを実施し、故障頻度算出のための基礎データを取得可能とした。これらの分析手法をエネルギーシステムモデル全体へ適用することにより、システム全体の複数故障伝播解析を定量的に実施できると共に、その故障が発生する故障頻度を定量算出可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、エネルギーシステム全体の解析に向けて、個別システムへ開発手法を適用し、開発手法の有効性を検証すると共に、システム全体解析のための基礎データを取得した。開発手法に関して、物理モデリングと定性リスク分析手法HAZOPを用いることにより、同時複数故障が伝播・影響し、熱暴走を引き起こすことをシミュレーション可能とした。また、モンテカルロシミュレーションを活用した多数計算により、熱暴走を引き起こす故障条件を特定可能とした。次に、水素パイプラインの故障に関して、水素漏洩を事例とした検討を実施し、正常状態の圧力・温度シミュレーション結果と教師なし学習により、水素パイプラインの故障を定量的に特定可能とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は個別システム検討、手法開発および基礎データ取得を実施し、その成果を活用し、2024年度では対象システムを拡張、複数システムに対して開発システムを適用し、故障リスクを定量的に算出可能かを検証する。特にベイジアンネットワークを用いて故障頻度を更新する手法に対して、物理モデリングを用いたダイナミックシミュレーションを適用し、各機器の基盤故障データ、生成データを活用して故障頻度をベイズ更新する。その後、複数システム間の同時故障が発生、影響が伝播する頻度を算出し、ベイズ更新を繰り返すことによりリスクを高精度化し、複合システムの故障リスクを定量分析する手法を確立する。
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