Project/Area Number |
23K13527
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 25020:Safety engineering-related
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
角田 英俊 科学警察研究所, 法科学第二部, 主任研究官 (80773936)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 光を用いた指紋の非破壊検出 / 画素ごとの蛍光スペクトルの時間変化測定 / 潜在指紋の蛍光寿命イメージング |
Outline of Research at the Start |
光を用いた指紋の非破壊検出は、指紋が付着した試料を光励起した際に指紋が発する蛍光を撮影することで指紋を可視化検出する。指紋の蛍光強度が、指紋が付着した物体(背景)の蛍光強度より数桁小さく、さらに蛍光の持続時間(蛍光寿命)が同程度以下で、かつ蛍光波長域も重複する場合、光を用いた指紋検出はこれまで困難だったが、蛍光寿命イメージングによる可視化例が確認された。本研究は、このような可視化例について、指紋付着部位と非付着部位の蛍光スペクトルとその時間変化の差異を調べることを通して、蛍光寿命イメージングにより潜在指紋が可視化されるメカニズムの解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
潜在指紋の蛍光寿命イメージングにおいて、指紋と指紋が付着した紙のサブナノ秒の蛍光寿命差を精度よく測定するため、カメラの撮影ゲート幅を短縮したときの蛍光寿命測定値の変化を調べた。従来のゲート幅約2.8nsと短縮したゲート幅1nsで指紋の蛍光寿命測定を行ったところ、ゲート幅以外は同条件で測定した指紋の蛍光寿命の値は、各ゲート幅についてそれぞれ約3.5ns及び約3.3nsであった。短いゲート幅ではゲート積算による蛍光減衰波形のなまりが低減され、より実際の蛍光寿命に近い値が得られたと考えられた。 指紋の付着部位と非付着部位の蛍光スペクトルの時間変化を画素ごとに測定するためのシステムを整備し動作試験を行った。単純な試料としてスライドガラス上の指紋を測定したところ、指紋付着部位の画素について従来の測定結果と整合する蛍光スペクトルとその時間変化が得られ、本システムが正しく動作することを確認した。本システムを紙などの試料上の潜在指紋に適用可能な見込みを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カメラゲート幅短縮による光量減少を補う励起レーザーパルスエネルギーの評価は行えなかった一方、2年目に実施予定であった画素ごとの蛍光スペクトル時間変化測定システムの動作試験を1年目に実施することができ、全体としてはおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲート幅短縮による光量減少を補う適切なパルスエネルギーで試料を光励起する。 蛍光寿命イメージングで潜在指紋が可視化された試料について、1年目に動作確認を行ったシステムを用いて指紋付着部位と非付着部位の蛍光スペクトル時間変化を測定し、指紋付着部位については重回帰分析等を用いてスペクトルを2成分に分離可能か調べる。2成分に分離することができた場合は、分離された蛍光スペクトルの形状がそれぞれ指紋や指紋が付着した物体のスペクトル形状に近いか否かを調べるとともに、両者の強度比を明らかにしていく。
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