Project/Area Number |
23K13535
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高橋 温志 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 研究員 (30871579)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 気象学 / 機械学習 / ビッグデータ / 地球科学 / 情報科学 |
Outline of Research at the Start |
災害につながる極端な気象現象の根本的な原因に迫るために,過去の極端現象を大量のシミュレーション結果を用いて検証する研究が注目されている.統計的な分析のためにシミュレーション結果同士の類似度を測りたいが古典的な方法では難しい.画像解析に用いられる機械学習技術はこのような問題に対して強みを発揮しており,解析への援用が期待されている.突風や線状降水帯の形成といった極端な事例をモデルケースとして,初期値が異なる大量に生成されたシミュレーション結果を事例ごとに次元圧縮をすることで,その極端な気象現象につながった事例に共通する特徴を発見し,その地球科学的な意味づけを目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の初年度の成果として,まず研究のための計算機環境を構築した.次に,従来の初等的な気象条件分類法では極端現象を考察する上で不十分であることを確認した.気象現象は非常に複雑であり,単純な潜在空間での分類では予測が困難であるケースが多いことが判明した.近年提案された,潜在空間への埋め込みの際に物理方程式による拘束を加味する方法を取り入れることで,物理的な意味のあるデータ構造を抽出することを試み始めた.さらに気象現象を扱う微分方程式の初期値問題を取り扱えるオペレータ学習の技術を取り入れることで,気象アンサンブルを単なる計算で終わらせるのではなく,その結果をサロゲートし初期値問題を推定できる方法を開発している.データ処理基盤と新しい分析手法、次年度の研究方向性が定まり成果が期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に従い、計算機環境の構築やデータ管理、文献調査等は順調に進行中である.さらに、米国地球物理学会での情報収集により、今後の研究を推進するための新たなアイデアを得た.一方で、当初予定していた単純な次元圧縮を用いた気象条件の分類手法では、極端な気象現象を十分に解析することが困難であることが明らかになった.この問題を克服するために、物理拘束を加味した次元圧縮方法を組み込むことで問題の打開を図っている. 研究を進める中で、シミュレーションデータの活用の重要さを認識し、関連課題としての取り組みを始めた.初期条件とその時間発展を取り扱うオペレーター学習を通した気象モデルのサロゲートを通して、逆問題を取り扱える枠組みに取り組みを進め、極端な気象に関連する重要な初期値を特定する上で役に立つと期待される
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Strategy for Future Research Activity |
計画時の単純な次元圧縮方法を、物理拘束を加味した次元圧縮方法へ交換することで、極端現象のカギになる要素の特定を目指す.研究を進める中で、シミュレーションデータの利用が極めて重要であることが明らかになり、これに対する取り組みを開始した.オペレーター学習を用いた気象モデルのサロゲートを通じて、初期条件とその時間発展を扱うことにより、逆問題の解析が可能なフレームワークの構築に努めている.このアプローチは、極端な気象現象における重要な初期値を特定する際に有用であると考えられている.
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