Project/Area Number |
23K13536
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
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Research Institution | Mount Fuji Research Institute, Yamanashi Prefectural Government |
Principal Investigator |
亀谷 伸子 山梨県富士山科学研究所, その他部局等, 研究員 (50848562)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 水蒸気噴火 / 熱水系 / 草津白根山 / 噴火履歴 |
Outline of Research at the Start |
活火山の火口近傍には登山や観光を目的に不特定多数の人が訪れるため、たとえ小規模であっても噴火が発生した場合に甚大な人的被害を生じうる。そのような地域において効果的な火山防災対策をおこなうための基礎情報として、小規模なものを含む個々の火口についての噴火履歴が必要である。本研究では、群馬県の草津白根火山を対象に、火口近傍での地質調査と物質科学的手法をもちいて、火口毎の水蒸気噴火の頻度と規模、それらと熱水系との関連を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究で対象とする草津白根火山は、有史以降水蒸気噴火を繰り返している活火山であり、2018年にも水蒸気噴火を発生している。同火山の山頂部には複数の活動場(火砕丘などの火山体)があり、これら各火山体の水蒸気噴火履歴と規模、熱水系との関係はまだ明らかになっていない。これらを地質調査と物質科学的手法から明らかにし、効果的な観測体制整備や火山防災対策に役立てることが本研究の目的である。 R4年度は、白根火砕丘周辺での調査をおこなった。その結果、3800年前以降~700年前の期間に10枚のテフラ層が認められ、いずれも粘土質で本質物を含まない水蒸気噴火由来の堆積物と考えられる。また、隣接する志賀火山の水蒸気噴火テフラについても試料採取をすることができた。これらのXRD分析の結果、石英とクリストバライトの含有量についてX線強度を基にみてみると、石英/クリストバライト比が高いテフラと低いテフラの2グループが見られた。石英/クリストバライト比が低いテフラのほうが枚数が多く、噴火頻度が高いと判断される。顕微鏡観察により、石英/クリストバライト比が高いテフラにはモザイク状石英が多く含まれており、これらは火山体内部に発達した石英脈の破片であると考えられる。さらに、変質度の低い火山岩片の割合も高いことから、これらは未発達な熱水系由来であると考えられる。一方、石英/クリストバライト比が低いテフラは隠微晶質な変質岩片を多く含むことから、比較的発達した熱水系由来であると考えられる。このように、噴火頻度と熱水系の発達度が関連していることを示唆する結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
隣接する志賀火山の水蒸気噴火テフラについても分析を進めることができ、草津白根山に類似する特徴をもつなど興味深い結果が得られたが、岩石組織解析等は予定通り進めることができなかった。年代測定費用を他経費で充当できたことなどから、初年度の使用額は予定より少なかったが、さらに調査や分析を増やす2年目以降に有効に活用できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き地質調査をおこない、水蒸気噴火テフラの分布域を基に噴火規模を明らかにする。トレンチ調査に適した場所があれば、手掘りで掘削を実施する。岩石組織解析や化学組成分析をおこない、熱水系の物質科学的特徴を明らかにする。
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