First-principles based machine learning phase field model for structural and battery materials
Project/Area Number |
23K13537
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 26010:Metallic material properties-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
黒田 文彬 筑波大学, 計算科学研究センター, 研究員 (60970431)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2027: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 第一原理計算 / 機械学習 / 電池 / クラスター展開法 / フェーズフィールド法 |
Outline of Research at the Start |
材料組織の予測と制御は、材料の機能性を十分に利用する開発において、必要不可欠な課題である。この課題を解決するためには、第一原理計算に基づく理論的な組織形成の予測が重要となる。そのため、 第一原理計算と融合したフェーズフィールド法が注目を集めている。しかし、この従来の手法では、計算コストが非常に大きく、面心立方格子などの単純な結晶構造に限られてしまっていた。そこで、本研究では、この問題を解決するべく、第一原理計算に加え、機械学習手法と融合したフェーズフィールド法の開発を行う。また、その手法を用いて、構造、電池材料の組織形成の予測を行うことで、材料組織制御の指針を得る。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究実施者は、リチウムイオン電池 (LIB) の正極材料として期待されるリチウムコバルト酸化物 (LiCoO2) の構造変化を調べ、その電気化学的性能への影響の理解を試みた。特に、熱力学的な凸包分析を活用して、LiCoO 電極の挙動を密度汎関数(DFT)計算に基づき分析した。この熱力学的な凸包を構築するために、クラスター展開とベイズ最適化 (BO) を高スループットのDFT 計算と組み合わせた。また、BOの効率を向上させるため、凸包までの距離をBOのターゲット変数として設定し、計算負荷を最小限に抑えることに成功した。このアプローチにより、より少ないDFT計算で、LiCoO2の構造的変化を高精度に予測することができた。実験では、300 Kにおいて酸素ガスの放出が確認された。この現象は、電池の劣化と関連しており、LiCoO2 が分解してCoO2-y の欠陥構造を生じる可能性を示している。このような欠陥構造は、CoO2 の層状構造を乱し、リチウムイオンの移動を阻害する。したがって、LiCoO2 の劣化による電池性能の低下は、主にこの構造的変化に起因することが示唆さされる。この研究の結果、LIBの寿命と性能を向上させるための重要な要因が明らかになった。特に、酸素ガスの放出や欠陥構造の形成を防ぐことが、電池劣化を防止するための鍵であることがわかった。これらの知見は、LIBの設計および製造プロセスの最適化に役立つと考えられる。さらに、BOによりDFTの計算コストを抑えて、自由エネルギー曲線を得る方法を確立したので、この手法とフェーズフィールド法を組み合わせることで、マルチスケールシミュレーションが可能になる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回開発したクラスター展開とベイズ最適化 (BO) を組み合わせたCE+BO法は、第一原理計算と機械学習手法であるベイズ最適化を融合したフェーズフィールド法の開発を行う上で、最も重要な部分である。そのため、この手法が確立されたことは本研究課題の進捗が概ね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策では、振動自由エネルギーを効果的に計算に取り込むためのアプローチを拡張する。従来のアプローチでは、絶対零度における構造の安定性に焦点が当てられていたが、有限温度下では振動自由エネルギーが重要な役割を果たす。具体的には、まずいくつかの原子配置に対して第一原理計算を行い、形成エネルギーを求める。これらを訓練データとして、ベイズ最適化を使って新たな原子配置を予測し、その予測に基づいて追加の第一原理計算を行う。こうして得られた結果をもとに、絶対零度での最安定な構造とその形成エネルギーを特定する。さらに、最安定な構造について、スーパーセルを用いた凍結フォノン計算を実施し、振動自由エネルギーを求める。この振動自由エネルギーを組み込むことで、有限温度下での安定構造の形成エネルギーを得ることができる。この手法は、イジング模型の相関関数と組み合わせて、温度を変数とした自由エネルギー関数を構築する際に役立つ。構築した自由エネルギー関数の正確性を検証するために、複雑な状態図を持つCuAl合金の問題に応用する。実験結果と計算結果を比較することで、モデルの精度を評価し、必要に応じて改良を加える。この検証プロセスを通じて、得られた自由エネルギー関数の信頼性を確認し、実用化に向けた方向性を確立する。 こうした一連のプロセスを繰り返し、計算モデルの改良を続けることで、有限温度下での安定構造とその組成を効率的に探索できる手法の開発が期待される。最終的には、実験と計算の両面から精度を確認しつつ、産業や材料開発の現場に応用できるようにしていくことが目標である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)