Project/Area Number |
23K13546
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 26020:Inorganic materials and properties-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 知一 九州大学, 工学研究院, 助教 (60871259)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 電子線トモグラフィー / 結晶粒界 / 多結晶材料 / 位相イメージング / 電子顕微鏡 |
Outline of Research at the Start |
金属やセラミックスなどの多結晶材料の機械的特性やイオン伝導性などの材料特性は、結晶粒界の性質に強く依存する。そのため、結晶粒界や二相界面の構造を原子レベルで明らかにすることは重要である。本研究では、電子線位相イメージングに基づく原子分解能電子線トモグラフィー技術を新たに開発し、多結晶材料の界面構造を原子スケールで三次元解析するための一連の解析スキームの確立を目指す。具体的には機械学習を応用した原子分解能画像の傾斜シリーズの自動取得ソフトウェアおよび位相画像の傾斜シリーズから三次元原子配列を再構成することのできる再構成アルゴリズムを新規開発し、金属・セラミックスの実試料の構造解析に応用する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、多結晶材料の界面構造を三次元的に解析することを目指して、電子線位相イメージングに基づく原子分解能電子線トモグラフィー技術を新たに開発する。2024度は、高分解能電子顕微鏡(HRTEM)画像のスルーフォーカス・傾斜シリーズから反復的波動場再構成法(IWFR)を用いて位相像を復元した後に三次元再構成を行うためのソフトウェアの開発に取り組むとともに計算機シミュレーションを用いて多結晶ナノ粒子のHRTEM画像のから三次元再構成を行うための測定条件と三次元再構成の精度の関係についての検討を進めた。また撮影対象物体をトラッキングしながら撮影するための要素技術の開発を行なった。 多結晶ナノ粒子のシミュレーション画像を用いた測定条件の検討では、スルーフォーカスシリーズから位相復元した位相画像の傾斜シリーズから原子分解能の三次元再構成が可能であることが確認された。またHRTEM画像の位置合わせおよびIWFRの位相再生の精度が像分解能に大きく影響を与えることがわかった。スルーフォーカス枚数および傾斜角度ステップをそれぞれ5枚および5度にすれば、原子分解能での三次元解析が十分可能であることが分かった。新しい撮影対象物のトラッキング手法の開発においては、深層学習を用いた物体検出アルゴリズムの1つであるYOLOv8(You Only Look Once)を用いることで、リアルタイムの対象物の物体トラッキングが可能であり、傾斜シリーズの撮影に応用できることを確認した。今後は、ソフトウェアの開発をさらに進めるとともに実試料を用いた検証を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2024年度は、当初予定していた通りにHRTEM画像のスルーフォーカスシリーズから位相復元をしてトモグラフィー再構成をするためのソフトウェアのコア部分の開発を行い、シミュレーション画像を用いた原子分解能の三次元再構成の再構成精度の検証まで進むことができた。またニューラルネットワークを用いた新しい物体トラッキングのアルゴリズムの比較・検討についても一定の成果が得られたことから、研究は予定通りに進んでいると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、電子線位相イメージングを用いた原子分解能電子線トモグラフィー解析のためのソフトウェアの開発をさらに進め、実験および解析を簡便にするための機能を追加してゆく。それと並行して多結晶ナノ粒子の実試料でのトモグラフィー実験を実施して、原子分解能トモグラフィーの実験的な検証を行う。
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