Project/Area Number |
23K13550
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 26020:Inorganic materials and properties-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
墨田 岳大 九州大学, 工学研究院, 助教 (50851325)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | ホウ素分析 / EDS / WDS / 即発ガンマ線分析 / PGA / ホウ素材料 / 無機分析 / 定量分析 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、ホウ素材料分析の高度化を目指す。 新材料開発を推進するうえで、材料の正確な組成情報は必要不可欠である。ところが材料の機能発現の一翼を担っているホウ素においては、その定量分析の困難さから、材料中濃度が正確に定量されていない。 そこで本研究では、即発ガンマ線分析の強みを生かして各種汎用分析手法におけるホウ素分析確度を評価する。 本研究から得られるホウ素分析の定量確度・精度に関する知見をまとめることで、分析手法・分析機関に依らない新材料研究に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、材料中ホウ素濃度を正確に定量する手法の開発を目的とししている。2023年度は1.高温技術を駆使した試料調整、および、2.原理的に最も高確度でホウ素を定量できる即発γ線分析を組み合わせることで、汎用分析手法評価のためのホウ素材料標準試料を作製した。 具体的には真空高温炉などを用いて、異なる化学量論組成の単相試料(NiB,Ni4B3,Ni2B,Ni3B,CoB,Co2B,Co3B,TaB2,ZrB2,FeBなど)を用意した。固体試料中ホウ素濃度を精緻に決定するため、即発γ線分析を用いて、各種試料中ホウ素濃度を定量した。一部試料では、そのホウ素含有量の多さから、中性子遮蔽効果により、即発γ線分析の分析不確かさが大きくなることがわかった。そのため次年度は試料を薄く加工することで中性子遮蔽効果を排除し、より精緻な分析定量値を得ることを目的として追加実施する。 また電子線を用いた汎用分析手法(EDS,WDS)における分析確度評価のために、即発γ線分析において高確度分析定量値を得られた一部試料を用いての汎用分析(EDS、WDS)を実施した。その結果、EDSではホウ素由来の特性X線強度と試料ホウ素濃度に相関関係が見いだせず、また、各種補正法(ZAF、φρZ)による定量値も、非常に不確かさが大きいことが明らかとなった。一方でWDSの場合、ホウ素由来の特性X線強度と試料ホウ素濃度に相関関係が得られた。WDSにおいても、各種補正法(ZAF、φρZ)による定量値も、非常に不確かさが大きいことが明らかとなった。これより、材料中ホウ素の精緻な定量分析のためには、検量線法が適していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、2023年度中に材料作製から、即発ガンマ線分析、各種汎用分析(EDS,WDS)まで一連の実験を実施できた。また2024年度の即発ガンマ線分析マシンタイムも十分に確保することができた。 また本研究の肝となる即発ガンマ線分析に関しても、高濃度ホウ素含有試料における高確度分析達成の見通しが立った。 以上の理由から、本研究課題は概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は2023年度に得られた結果をもとに、1.即発ガンマ線分析の分析不確かさをさらに低減し、2.対象材料系を拡大することで、広範な材料系に適用可能な材料中ホウ素濃度を正確に定量する手法を開発する。 また、得られた結果を論文としてまとめる予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)