Project/Area Number |
23K13578
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 26050:Material processing and microstructure control-related
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柳 玉恒 大阪大学, 大学院工学研究科, 特任助教(常勤) (00966088)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
|
Keywords | フェーズフィールド / 凝固組織 / 急速冷却 / シミュレーション / 溶質偏析 / 規則ドメイン制御 / フェーズフィールド法 / TEMその場観察 / 過飽和空孔 / 3Dプリント |
Outline of Research at the Start |
D03構造のFe3Alでは,マルテンサイト変態より安定な超弾性を有する,安価なため衝撃吸収材としての利用が期待される.しかしながらこの超弾性は単結晶にて,加えて適切な熱処理により適切な規則ドメイン(APD)サイズが必要.本研究では,金属3DプリントによるD03型Fe3Alの単結晶化後の課題となる規則化熱処理条件の最適化のため,CALPHAD法と第一原理計算を用いて,多量の原子空孔を含む系の熱力学データベースを構築する.それをPFシミュレーションに組み込むことで,急冷による過飽和空孔が規則ドメイン成長に与える影響を予測するとともに実験観察で検証して組織制御の学術的指針とする.
|
Outline of Annual Research Achievements |
D03構造を有するFe3Alでは,マルテンサイト変態による超弾性よりも安定的に発現するAPB超弾性が報告されている.しかしながら,このAPB超弾性は単結晶でなければ発現せず,また規則ドメインサイズによって力学特性が大きく異なる制限がある. 本研究では,Fe3Alの3Dプリント材の熱処理による規則ドメイン制御による超弾性特性の制御の指針を,金属3Dプリントに特有の急速冷却条件によって導入される過飽和空孔がAPD成長に与える影響に注目し,実験とシミュレーションを組み合わせて解明する. 2023年度は,Fe3Al単結晶のバルク材に金属3Dプリント用レーザーを照射し,過飽和空孔を導入した.その後,レーザー照射材を規則化熱処理し,TEM観察によりAPDのサイズを評価した.その結果,過飽和空孔がAPD成長を促進することを示唆した. 一方,数値熱流体力学計算(CtFD)を使用して,レーザー照射による溶融領域の冷却条件(温度勾配,凝固速度など)を解析し,絶対安定性が発見される可能性が高いことを示した.続いてマルチフェーズフィールド法を用いて,急速冷却条件下でのFe3Al合金の一方向凝固をシミュレーションした.金属3Dプリントの凝固条件を含む幅広い範囲での凝固組織と溶質偏析の関係を評価した.溶質偏析は冷却速度の増加に伴い低下する傾向が見られた. 加えて,D03構造のFe3AlにおけるAPD成長のPFシミュレーションを実施した.先行研究で開発されたPFモデルを,組成依存性と空孔濃度の影響を考慮して改良した.同モデルを用いて,二次元と三次元のPFシミュレーションを行い,APD成長の形状係数を求めた.さらに,実験結果とPFシミュレーションを融合して,規則化移動度を決定することに成功した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主な目的は,金属3DプリントによるD03型Fe3Alの単結晶化後の課題となる規則化熱処理条件の最適化のため,急冷による過飽和空孔が規則ドメイン成長に与える影響を予測するとともに実験観察で検証して組織制御の学術的指針とすることである.当初の計画は先ずCALPHAD法と第一原理計算を用いて,多量の原子空孔を含むFe-Alの熱力学データベースを構築する予定であった.しかしながら,計算の環境構築に時間を要するため,データベースの構築が達成できていない.そこで,当初計画から予定を変更し,2024年度に行う予定であった金属3Dプリント用レーザーをFe3Alの単結晶バルク材への照射による過飽和空孔の導入についての研究を先行して進めた.レーザー照射した試料を種々の条件で規則化熱処理し,照射領域内部と外部のAPDサイズをTEMにより評価し,過飽和空孔の影響を調べた. 更に,急速冷却条件下でのFe3Al合金の凝固組織形成と溶質偏析に注目してマルチフェーズフィールド(MPF)法による凝固シミュレーションを行った.熱力学データと拡散データはThermo-Calc社の鉄系熱力学データベース(TCFE11)と動力学データベース(MOBFE6)により求め,界面エネルギーなどの値については,文献値とフィッティングパラメータも用いた.そのシミュレーション結果は擬平衡条件が成立する範囲内では実験結果とよく合うが,より急速な冷却条件では一致せず,非平衡条件を適用したPFモデルの必要性が明確になった. 一方で,本研究で独自に改良したPFモデルを用いて,APD成長のシミュレーションに不可欠な規則化移動度を,PFシミュレーションと実験組み合わせて決定した.この成果は今後シミュレーションによる熱処理条件の最適化に非常に有効であると考える. 以上より,当初計画についてはおおむね順調に進展していると考える.
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度には,Fe3Alの単結晶のバルク材に金属3Dプリント用レーザーを用いて照射し,過飽和空孔を導入し,熱処理を実施した.2024年度には,まず,2023年度に決定したD03型Fe3Alの規則ドメインの規則化移動度を使用して,熱処理実験と同じ条件でAPD成長のPFシミュレーションを行う.実験結果と比較して,シミュレーションに使用するフィッティングパラメータを評価し決定する.さらに,実験的な熱処理条件を増やし,PFモデルとパラメータの信頼性を検証する.確立したPFモデルを用いて,異なる空孔濃度,冷却速度,熱処理温度下でのシミュレーションを実施し,熱処理による規則ドメイン制御の指針を提案することを目指す. 加えて,引き続き多量の原子空孔が規則変態に与える影響を評価するとともに,空孔を考慮したFe-Al二元系熱力学データベースを構築する.その熱力学データベースに基づき,CALPHADと連携するPFモデルを改良し,擬平衡および非平衡条件下での凝固・熱処理のPFシミュレーションを実施する.シミュレーション結果と実験結果を比較して,空孔濃度の影響を加味したAPD組織の予測を検証する.
|