Project/Area Number |
23K13583
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 26050:Material processing and microstructure control-related
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
草野 正大 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究センター, 主任研究員 (60822583)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | レーザ粉末床溶融結合法 / 部材形状 / 層間インターバル / 有限要素熱解析 / 温度場モニタリング / フィードバック制御 / 試料形状 / 熱履歴 / マルチスケール熱解析 / プロセス制御 |
Outline of Research at the Start |
任意形状部材を造形可能であるレーザ粉末床溶融結合法では、原料粉末の積層とレーザ照射による溶融凝固を繰り返すことで複雑な熱履歴を経る。そのような熱履歴に試料形状自体も影響するが、その関係性は体系的に理解されていない。そこで本研究は、造形部材の「断 面形状」「立体形状」「スケール効果」の3つの要因が、プロセス中の熱履歴に及ぼす影響を体系的に理解し、微細組織と力学特性との相関関係を解明する。さらに、試料形状と熱履歴の相関関係に基づき、マルチスケール熱解析を利用して形状に依らない画一的な熱履歴となるプロセス条件制御に挑戦し、実際に造形した複雑形状の微細組織と力学特 性の均質化を以って実証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、金属積層造形法において部材形状がプロセス中の熱履歴に及ぼす影響を体系的に理解し、微細組織と力学特性との相関関係を解明することである。また、プロセスシミュレーションを応用して、部材形状によらない画一的な熱履歴となるプロセス条件制御の実現を目指す。 本年度は、プロセス条件のひとつである層間インターバルの制御により伝熱抑制形状部材を目標温度に保持することに成功した。伝熱抑制形状は、断面積の狭い部分により基材への伝熱を抑制するように意図して設計されたものである。ニッケル基超合金粉末を原料として伝熱抑制形状部材を造形した場合、単純な円柱形状部材に比べて上面温度が300℃以上高温に保持されて造形が進行した。その結果、部材内部には多数の割れが発生し、また、冷却速度の低下により凝固組織が粗大化した。さらに、プロセス条件のひとつである層間インターバル(1層あたりの造形時間)が長くなるほど、このような保持温度は低下することがパートスケール有限要素熱解析によって明らかとなった。 これらの結果に基づいて、層間インターバルへのフィードバック制御によって伝熱抑制形状部材を目標温度に制御することに挑戦した。具体的には、まずパートスケール熱解析上でフィードバック制御を実施するサブルーチンプログラムを開発し、目標値をプロセス中に三段階に切り替えた場合の温度制御の実現可能性を検証した。次に、実際の積層造形プロセス中に赤外線カメラによる計測温度に基づいて層間インターバルにフィードバックし、目標値への制御を試みた。熱解析および実証実験ともに層間インターバルへのフィードバック制御によって部材上面温度を目標値に保持することに成功した。また、目標温度をプロセス中に切り替えたことで熱履歴が変化し、微細組織および力学特性がステップ上に異なるニッケル基超合金部材が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載したように、層間インターバルへのフィードバック制御によって伝熱抑制形状部材を目標温度に保持することに成功しており、前倒しで研究計画の一部を実行している。また、これらの研究成果について、すでに論文を投稿しており査読中である。
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Strategy for Future Research Activity |
プロセス条件のひとつである層間インターバルへのフィードバック制御により伝熱抑制形状の熱履歴制御が可能であることが実証されたが、一方で、この制御法の限界および新たな課題も明確となった。より複雑な部材形状を複数造形するような場合には、層間インターバルだけでなくレーザ照射条件にもフィードバックする必要があるだろう。そのため、当初の予定通りに、実験およびシミュレーションによって部材形状とプロセス条件、プロセス中の熱履歴、造形部材の微細組織と力学特性との相関関係を定量的に明らかにし、プロセス制御の実現を目指す。
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