Project/Area Number |
23K13597
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 27030:Catalyst and resource chemical process-related
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
城戸 大貴 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特別助教 (60906931)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | マイクロ秒XAFS / タイムスタンプXAFS / 光触媒 / 反応メカニズム追跡 / 電荷輸送 / 反応メカニズム |
Outline of Research at the Start |
光触媒は、太陽光を用いて水から再生可能エネルギー源として注目されている水素を生み出すことができる魅力的な材料である。しかし、実用化のためにはさらなる高効率化が必要である。未だに明らかになっていない部分がある、原子レベルでの反応メカニズムを明らかにすることは、新たな触媒設計の指針を与えることができる。本研究では、マイクロ秒オーダーでの測定時間と測定信号を紐づけしてX線吸収分光測定を行う、タイムスタンプXAFSを確立し、原子レベルでの光触媒反応メカニズムを追跡し、メカニズムの記述を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、未だに解明されていない原子レベルでのマイクロ秒領域における、光触媒および助触媒の表面から反応物へ電荷が移動する過程を解明するための新しい手段、タイムスタンプXAFS法の開発を行い、マイクロ秒領域の時間分解XAFS測定法を確立することが目的である。そして、電荷輸送に伴う構造変化と化学反応を直接観察し、光触媒反応メカニズムの解明を目指す。初年度は、当初の計画通り、以下の項目を実施した。 ・実験データ処理システムの構築:Pythonにてプログラムを作成した。タイムスタンプ測定によってDSPから生成されるバイナリデータをcsvファイルに変換できるようにした。変換したデータに対して任意の時間刻みを与えることで、時系列で分割してスペクトルを比較するプログラムも準備した。 ・試料準備:試薬の購入を行った。酸化チタン光触媒に白金の担持をした。最初の段階として、試料をシリカと混ぜたペレットを作製した。 ・実験システムの構築:パルスレーザーの納入と検出器系の準備を行った。レーザー光学系を準備し、X線の焦点とパルスレーザーの焦点がオーバラップするような実験系を準備した。X線検出系については、高エネルギー加速器研究機構のフォトンファクトリーで利用しているビームラインに備え付けの単素子SDDに、タイムスタンプ対応のDSPを用いることでタイムスタンプ測定を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である本年度は、「実験データ処理システムの構築」・「実験システムの構築」・「試料準備」の3つを行う予定であった。実験システムに改良が必要であると考えられるが、当初予定していた内容は達成できており、高エネルギー加速器研究機構のフォトンファクトリーにおいて、11月と2月のマシンタイムで実験を開始できているため、おおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方策として、以下を進める予定である。 ・スペクトルのS/N改善のために、多素子検出器に変更し、システムの最適化を行う。 ・実験条件の最適化(試料濃度と励起光強度の最適化)を行い、光触媒反応に伴うXAFSの変化を得る・ ・マイクロ秒領域のXAFS測定・解析を進め、光触媒反応メカニズムを解明する。
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