Project/Area Number |
23K13598
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 27030:Catalyst and resource chemical process-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中里 亮介 東京工業大学, 理学院, 研究員 (30973086)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2027: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 人工光合成 / 過酸化水素 / 水の二電子酸化反応 / 電極触媒 / ベースメタルポルフィリン / 層状複水酸化物 / アノード触媒 / ポルフィリン |
Outline of Research at the Start |
太陽電池駆動型の人工光合成システムは、本邦でも目覚ましい進歩をとげており、クリーンな二酸化炭素資源化技術の中で最も実用化レベルに近いシステムの一つである。しかしながら、二酸化炭素還元の副産物として得られる水の酸化生成物は、ほぼ酸素に限られる。酸素に代わる高付加価値生成物として過酸化水素が有望だが、実用化にかなう性能をもつ過酸化水素生成「アノード(※化合物を酸化する電極)」が見出されていない。 本研究では、申請者の過酸化水素生成「光アノード(※光エネルギーを併用可能なアノード)」の高機能化手法の知見を活かし、シンプルに電気エネルギーのみを利用する過酸化水素生成「アノード」の高機能化を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
太陽電池駆動型の人工光合成システムは、クリーンな二酸化炭素資源化技術として期待されるシステムの一つであるが、水の酸化生成物は、ほぼ酸素に限られている。酸素に代わる高付加価値生成物として水の二電子酸化生成物である過酸化水素(H2O2)が有望だが、従来の酸化的H2O2生成電極触媒では、優れたH2O2選択性を発揮するために高い過電圧が必要であり、高いエネルギー変換効率を得ることが困難であった。そこで本研究では、新規H2O2生成電極触媒の探索および担持材料・担持方法の最適化による酸化的H2O2生成電極触媒の高機能化を目的とした。 本年度の活動では、ベースメタルポルフィリンやZn系層状複水酸化物について、これまで報告例のなかった電極担持系における水の電気化学的酸化反応を行った結果、0.4V前後の比較的低い過電圧条件でH2O2の生成を観測し、これらの電極触媒種が酸化的H2O2生成能を有することを明らかにした。特に、Zn-Ga系層状複水酸化物を用いた場合にH2O2選択率は最大で約20%を示した。これに関連した研究例として、本年度に入ってからL. Liらにより、金属酸化物の一種であるZnGa2O4が低過電圧条件で従来の触媒よりも高いH2O2選択率を示すことが報告されている。興味深いことに、この化合物は水との接触によりZn-Ga系層状複水酸化物に変化することが知られているため、今後のより詳細なZn-Ga系層状複水酸化物の酸化的H2O2生成能の調査によって、さらなる高活性種の発見が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の活動では、ベースメタルポルフィリンおよびZn系層状複水酸化物について、これまで報告例のなかった電極担持系における水の電気化学的酸化反応を行った結果、いずれの触媒種についてもH2O2生成能を有することを明らかにした。現状は目標とする高い触媒活性は得られていないが、電解条件の最適化により触媒活性のさらなる向上が見込めるため、今後の研究活動において新規な高機能材料を見出すための足掛かりが得られたと考えている。以上の研究遂行状況から、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
酸化的H2O2生成電極触媒の触媒活性は、電極作製時に混合する導電助剤やバインダーの種類・添加量に大きく影響を受け、触媒種ごとに電解時の最適な電解質の種類や濃度も異なるため、電極作成条件および電解条件の最適化が重要となる。そのため、次年度ではZn-Ga系層状複水酸化物を用いた酸化的H2O2生成電極触媒の電極作成条件および電解条件の最適化を中心に行う予定である。この系をモデルとして酸化的H2O2生成電極触媒を高機能化するためのガイドラインを確立できれば、次年度以降に向けて、より効率的な新規触媒種の探索が可能になる。
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