Project/Area Number |
23K13667
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 29020:Thin film/surface and interfacial physical properties-related
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
今林 弘毅 福井大学, 学術研究院工学系部門, 助教 (10906324)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 有機半導体 / 塗布膜の基板依存性 / 表面モフォロジー制御 / 導電率制御 / 非接触・in-situ二次元評価 / 界面反応 / 界面顕微光応答法 / 信頼性評価 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、金属と半導体界面の電気的特性をマッピング評価できる界面顕微光応答法を用いて、塗布により形成した有機半導体薄膜と金属電極の界面における劣化機構を明らかにする。本手法の特徴を活かし、「熱」や「電流・電圧印加」による劣化を「二次元的」に「その場測定」を行う。他の手法では評価できない電気的特性の不均一を測定し、信頼性を低下させる環境やプロセスを評価、界面反応や不純物といった有機半導体デバイスの劣化の起点となる因子を明らかにする。有機デバイスの長寿命化に向けた知見を得る試みである。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度計画に則り、予算計上していたスピンコーターを調達して製膜およびその後の溶媒を蒸発させるための焼成環境を構築した。その上で塗布条件検討を行った。ただし、酸素を排除した不活性な雰囲気をつくるグローブボックスの購入費用が想定より高額になる見込みであったことから、基礎条件検討のために大気下で製膜しても安定して特性を発現できる、PEDOT:PSS分散液を材料として評価を行った。 1,塗布する基板としてソーダガラス・ホウケイ酸ガラスの2種類の基板を用いた。結果、ホウケイ酸ガラスではムラの大きい膜となり、ソーダガラスでは均一性の高い膜が形成された。ホウケイ酸ガラスに対し、表面のUVオゾン処理による表面改質を行い、膜質改善効果を検証した。結果、基板を5.2 mW/cm2のUV照射強度下に15分、30分、40分間置いた後にPEDOT:PSS膜をスピンコートすることで、面内の膜厚分布が徐々に抑えられることがわかった。本条件検討により、安定してPEDOT:PSSの製膜プロセスを構築することができた。また、塗布材料の凝集による膜質の不均一は起こりえるプロセスエラーの1つであることから、今後の電気的不均一の検証の際、敢えてUV照射時間を短くして膜の不均一を導入する検証も導入していく。 2,塗布膜に対し、4探針法にて試料面内の3点にて抵抗率測定を行った。スピンコート時の回転数1500~5000 rpmにて製膜した試料において、それぞれ103 Ω/cmの値を得た。使用したPEDOT:PSS分散液の成膜後の想定導電率と膜厚から想定される抵抗率に近い値が得られていた。 本検討により、スピンコート法による製膜環境の構築および製膜条件検討によるプロセスを安定化ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた試料の作製条件検討において、作製した薄膜が不均一であり、膜厚も不安定であったことから、基本的な製膜条件検討に立ち返って実験系の構築から行った。不均一は大幅に改善し安定した試料作製が可能になり、評価を進める段階までこぎつけている。試料当初の計画より時間を要してしまった結果、令和5年度中に予定していた、製膜した有機半導体膜の電気的特性評価まで研究を進めることが出来なかったが、令和6年度で挽回は十分可能な範囲であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
先ず令和5年度にて未達であった、有機半導体膜上に電極を形成および基礎的な電気的特性評価を行い、素子構造やプロセスの課題を早急に抽出する。その上で、令和6年度に実施予定であった評価を実施していく。具体的には以下取り組みを実施する。 ①熱劣化の可視化 ・電極金属の種類の異なる試料に対し熱処理を行い、電極面内の熱劣化を可視化し、各種金属の反応性が与える影響を評価する。また、反応性の高いTiやAlと反応性の低いAuやPtを評価用電極とし、50 °Cごとに室温から300 °Cまでの温度範囲で24時間アニールして、電極面内の不均一性の違いを評価する。 ②電流電圧印加の影響評価 ・通電劣化した電極に対して測定を行い、電極端面近傍の電流・電界集中による影響や、絶縁破壊の発生箇所を把握する。 加えて、印加電流0 ~ 1 mA/cm2、印加電圧0 ~ 100 V までの範囲で24時間通電し、電極周辺の電流や電界の集中領域を高分解能に観察する。また二次元電磁界シミュレーションにより絶縁破壊電界を見積もり、妥当性を評価する。
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