Project/Area Number |
23K13696
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 31020:Earth resource engineering, Energy sciences-related
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
大槻 貴司 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (60870003)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | エネルギーシステム / 重要鉱物 / カーボンニュートラル / リチウムイオン電池 / 再生可能エネルギー / 線形計画法 / 脱炭素社会 / 重要鉱物資源 |
Outline of Research at the Start |
エネルギーシステムの脱炭素化が国際的な目標となる中、脱炭素技術に用いられる素材鉱物の需給逼迫が新たな障壁として顕在化している。本研究ではエネルギーおよび鉱物の双方の観点から実行可能な脱炭素シナリオを描くことを目的に、新たなエネルギー・鉱物需給モデルを開発する。具体的には発電・自動車の脱炭素化の鍵を握るリチウムイオン電池(LIB)に着目し、その素材鉱物(リチウム等)の需給を世界エネルギーシステムモデルに織込む。そして、開発モデルを用いて脱炭素社会におけるLIBの最適導入量や、鉱物需給を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、【1】1時間値の時間解像度を有する世界エネルギー需給モデルの開発、および【2】世界エネルギー・鉱物需給モデルの開発を実施した。 【1】では、再生可能エネルギー(再エネ)や蓄電池の技術評価の精緻化を目的に、世界(100地域区分)のエネルギーシステム全体を包含しつつ、電力・水素需給は1時間刻みで最適化計算するモデル「NE_Global-R」を開発した。そして、同モデルを用いて、2050年CO2正味ゼロ排出に向けて最適なエネルギー構成や蓄電池導入量等を評価した。その結果、再エネやCO2回収・貯留、原子力などの様々な技術を活用することが世界全体として最適であり、2050年の世界電源構成における太陽光・風力発電の最適比率は57%と評価された。また、再エネ100%のエネルギーシステムに関しては、CO2削減費用が倍増する等の経済的課題が示唆された。 【2】では、NE_Global-Rの定式化を拡張し、重要鉱物の資源制約や物量バランスを考慮したモデル「NE_Global-R_M」を開発した。分析対象の重要鉱物としては、リチウムイオン電池(LIB)の素材であるリチウム・コバルト・ニッケルとした。モデル化にあたっては、重要鉱物の資源量に関する文献調査を実施し、また、LIB以外の鉱物需要については計量経済手法および文献調査から将来見通しを作成した。そして、同モデルを用いて、2050年の世界における電力系統用・車載用LIBの最適導入量等を検討した。その結果、コバルト資源量が将来のLIB導入を制約する可能性があり、コバルト使用量を抑制する技術が重要となることが示唆された。 上記の通り、時間解像度やエネルギー・鉱物需給の統合化の点で、本研究は独自性を有するモデルを開発した。さらに、開発モデルを基に、エネルギー・鉱物資源政策の観点から重要な示唆を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
世界エネルギー需給モデルの時間解像度の詳細化は、当初計画の範囲を超えた成果を上げることができた。また、本研究課題の主目的である世界エネルギー・鉱物需給モデルの開発については、当初の計画通り、リチウム・コバルト・ニッケルの資源量制約や物量バランスの定式化を実施できた。リチウムイオン電池以外の鉱物需要についても、計画通り、計量経済的手法や文献調査を基に将来見通しを作成した。以上を総合的に踏まえて、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
世界エネルギー・鉱物資源モデルについて、鉱物資源制約を克服するための方策のモデル化と分析を実施する。具体的には、リチウムイオン電池(LIB)の代替技術や、LIBの素材鉱物の省資源化・リサイクル技術をモデルに追加する。そして、拡張モデルを用いて、代替技術導入のインパクトや、省資源化・リサイクルの最適実施量、CO2削減費用に及ぼす効果などを定量化する。
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