Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
水素燃料電池の次世代型固体電解質として、加湿不要かつ環境調和型の有機分子性結晶からなる無水超プロトン伝導体(伝導度 σ > 10^-2 S/cm)が求められている。先行研究では分子内プロトン移動を担う機構として分子運動が注目されてきたが、結晶中分子運動は活性化障壁が高いため10^-2 S/cmを超える無水超プロトン伝導には至らなかった。本研究では、分子再配向運動を不要とする新機構としてプロトン互変異性を活用することで、分子内プロトン移動を低障壁化・高速化する。種々のプロトン互変異性分子を用いた単結晶の伝導度調査と伝導機構解明を通して、プロトン互変異性に基づく無水有機超プロトン伝導体の設計指針確立を目指す。