Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
α,β-不飽和カルボニル化合物への付加反応は、電子的特性からβ位付加が優先的に進行する。一方で逆の位置選択性であるα位付加(anti-Michael型付加)はほとんど報告されていない。もしanti-Michael型付加が進行すれば、医薬品等に多いα-置換カルボニル化合物をワンステップかつ原子効率100%で合成できる理想的な反応を実現できる。本研究では、カルボニル部位に配向基を導入して遷移金属触媒とアルケン部位を近づけ、相互作用を強めることにより、五員環メタラサイクル中間体を経るα位選択的な付加を達成する。また種々の求核剤を用い、求核剤と付加方向との相関を明らかにする。