Project/Area Number |
23K13750
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
山下 賢二 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (50851911)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | ハロゲン化 / 不斉反応 / 環化反応 / ホスフィンオキシド / ルイス塩基 / ブレンステッド塩基 / ハロゲン結合 / ジフルオロアルケン / 不斉合成 / 有機分子触媒 |
Outline of Research at the Start |
最近、キラルビスホスフィンオキシドがルイス/ブレンステッド塩基協奏触媒作用を示し、不斉ハロ環化反応に有効であることを見出した。特に、ハードなルイス塩基であるホスフィンオキシドによってソフトなハロゲン化剤が活性化できることを実証し、高活性求電子種の触媒的調製に成功した。本研究では、こうした活性種の発生を鍵として従来困難とされてきた電子不足アルケンに対する不斉ハロ環化を実現する。また、スルフェニル化剤の活性化も検証し、未だに達成されていない電子不足アルケンの不斉スルフェノ官能基化に挑む。さらに、ホスフィンオキシドのブレンステッド塩基としての機能を活かし、多様な求核剤の活性化に適用する。
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Outline of Annual Research Achievements |
フッ素はその特異な性質から、化合物に導入することで代謝安定性の向上、生物活性の増強、新機能の発現などが期待できる。そのため、医薬品や農薬などの生命科学分野で広く利用されている。近年では、カルボニル基やスルホニル基、エーテル結合などの生物学的等価体として機能するジフルオロメチレン基が注目されており、様々なジフルオロメチレン含有医薬品が開発されている。これら医薬品の多くは、不斉炭素中心にジフルオロメチレン基を有するヘテロ環骨格を共通の部分構造としている。しかし、こうした構造モチーフを簡便かつ効率的に構築する不斉触媒反応はほとんど開発されていない。 一方、不斉ハロ環化反応はハロゲンを含むキラルヘテロ環を構築する有力な手法の1つである。最近我々は、プロトン架橋型キラルビスホスフィンオキシド錯体(POHOP)が不斉ブロモ環化反応の触媒前駆体として機能し、系中で極めて活性の高いキラルブロモ化剤が生じることを見出している。本知見に基けば、求電子的官能基化が困難な電子不足アルケンであってもブロモ化できると考えた。特に、ジフルオロアルケンに対する不斉ブロモ環化に利用できれば、上述した構造モチーフを一段階で構築できるようになり、合成的有用性が高い。そこで、実際にPOHOPを触媒前駆体としてジフルオロアルケン(アリルアミド)に対するブロモ環化反応を検討した。その結果、期待通り環化反応は極低温下でも円滑に進行した。興味深いことに、環化の位置や立体選択性は溶媒や触媒構造、ブロモ化剤により大きく変化することがわかった。そこで、条件を種々検討したところ、ジフルオロメチレン基を含む四置換不斉炭素を有するオキサゾリン化合物、またはオキサジン化合物を高立体選択的につくり分けることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初の研究計画に従いアミドを求核部位としたジフルオロアルケン基質のブロモ環化反応を検討した。初期検討で有望な結果が得られ、反応条件の最適化も速やかに終えることができた。また、反応条件の最適化を行う過程で、環化の位置や立体選択性が制御可能であることを見出した。本研究成果は既に論文化(2報)しており、現在は求核部位の適用範囲拡大や他の電子不足アルケンに対する不斉ブロモ環化反応の開発に取り組んでいる。以上のことから、本研究課題は「おおむね順調に進展している。」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、求核部位の拡張を目指す。具体的には、スルホンアミドやフェノール、カルボキシ基を求核部位としたジフルオロアルケンのブロモ環化反応を検討する。これらの官能基はホスフィンオキシドと水素結合を形成することが知られているが、実際に水素結合を介して活性化可能か検証する。 また、ジフルオロアルケンの不斉スルフェノ環化反応についても検討する。アルケンの不斉スルフェノ環化反応は、スルフェニル化剤が「ソフト」な性質を有するため、「ソフト」なカルコゲンLewis塩基触媒が用いられることがほとんどで、「ハード」なLewis塩基触媒が適用された例はない。今後の研究では、不斉ハロ環化に有効であったキラルビスホスフィンオキシドのLewis/Bronsted塩基協奏触媒作用が、不斉スルフェノ環化反応にも適用できるかを検証し、未だに報告例のないジフルオロアルケンの不斉スルフェノ環化を実現する。
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