Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
分子性強誘電体の開発は、従来の金属酸化物強誘電体などで課題とされてきた膜厚やドメインサイズによる負のサイズ効果を克服できるという点で、ナノデバイス化等の観点から広く注目を集めている。本研究では、溶媒蒸気曝露による極性集積構造変換が可能な強誘電性単核金属錯体に着目し、薄膜化することで溶媒蒸気に応答可能な多機能性強誘電体薄膜の開発と新機能創出を目指す。同時に、薄膜試料による分子配列の直接観察と各種分光分析によるモニタリングを行うことで、これまで不透明であった集積構造変換機構および分極反転機構を解明し、新たな強誘電性発現機構のための分子設計指針の確立とより高度な機能性金属錯体材料開発へと展開する。