未利用資源の石炭灰を基盤材料とした石炭火力発電のゼロエミッション化の実現
Project/Area Number |
23K13782
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 34030:Green sustainable chemistry and environmental chemistry-related
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Research Institution | Tomakomai National College of Technology |
Principal Investigator |
長尾 昌紀 苫小牧工業高等専門学校, 創造工学科, 助教 (20880264)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 石炭灰 / 固体塩基触媒 / ポゾラン反応 / 固体触媒 |
Outline of Research at the Start |
持続可能な社会の構築のため,石炭火力発電で発生するCO2やNOx,SOxの削減は必須である.本申請研究では,石炭火力発電所で廃棄される石炭灰を原料として,CO2やNOx,SOxを無害化する固体触媒を開発する.石炭灰とCa(OH)2の間で進行するポゾラン反応に着目し,石炭灰の高表面積化を達成する.同時に表面積や結晶構造等の物理的特性の評価と酸塩基性質等の化学的性質の相関性を実証し,CO2やNOx,SOxを除去・分解可能な触媒反応系を構築する.最終的に,石炭火力発電における有害物質を石炭火力発電での廃棄物で除去する,自己完結型サイクルを構築し,「石炭火力発電のゼロエミッション化」を実現する.
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Outline of Annual Research Achievements |
石炭灰表面の酸化ケイ素と酸化アルミニウムが水酸化カルシウムと反応し、ケイ酸カルシウム水和物を生じる反応はポゾラン反応として土木分野で広く知られてきた。本研究では石炭灰表面でのポゾラン反応の進行に伴う物理特性および化学的特性の変化を系統的に検討し、二酸化炭素や窒素酸化物などといった環境負荷の高い物質を分解・除去しうる新規固体触媒材料として石炭灰を応用することを目的としている。2023年度は石炭灰固体触媒の合成のための予備実験として石炭灰と水酸化カルシウムの反応条件について検討した。石炭灰と水酸化カルシウムを水に懸濁させ、任意の温度で静置した。この反応では2つの反応が逐次的に進行することが明らかになり、一つ目は水酸化カルシウムの炭酸化による炭酸カルシウムの生成、二つ目は石炭灰に含まれる酸化ケイ素と炭酸カルシウムとの反応によるケイ酸カルシウム水和物の生成である。前者は低温(~90 ℃程度)で優位に進行し、後者は高温(90 ℃~180 ℃)で優位に進行することが明らかになった。石炭灰と水酸化カルシウムとの一連の反応で生成したカルシウム化合物は触媒活性点として作用し、当初の目的を果たす一助になりえると期待される。これらに加え、2023年度は酸・塩基性質評価用昇温脱離装置の作製も実施内容と位置付け、無事に完成させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度に実施する内容として石炭灰固体触媒の合成のための予備実験である石炭灰と水酸化カルシウムの反応条件の検討を当初かかげた。石炭灰と水酸化カルシウムを水に懸濁させ、任意の温度で静置したところ、2つの反応が逐次的に進行することが明らかになった。一つ目は水酸化カルシウムの炭酸化による炭酸カルシウムの生成、二つ目は石炭灰に含まれる酸化ケイ素と炭酸カルシウムとの反応によるケイ酸カルシウム水和物の生成である。前者は低温(~90 ℃程度)で優位に進行し、後者は高温(90 ℃~180 ℃)で優位に進行することが明らかになった。石炭灰と水酸化カルシウムとの一連の反応で生成したカルシウム化合物は触媒活性点として作用し、当初の目的を果たす一助になりえると期待される。これらに加え、2023年度は酸・塩基性質評価用昇温脱離装置の作製も完了させることができた。以上、当初の研究計画において2023年度に実施すると定めた内容を完了することができたため、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は2023年度に得られた石炭灰固体触媒について物理的特性として結晶構造、比表面積および粒子形態の評価を実施する。これらはそれぞれX線回折測定、窒素吸脱着測定、電子顕微鏡観察によって行うことを予定している。また、化学的特性の評価として酸・塩基性質の測定と、触媒特性評価として単純な酸・塩基触媒反応をモデル反応に実施する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)