Project/Area Number |
23K13785
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 34030:Green sustainable chemistry and environmental chemistry-related
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
中山 超 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究員 (00964280)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | セルロース / リグノセルロース / 機会学習 / 多変量解析 / 複合材料 / データ駆動型アプローチ / 疲労 / 耐久性 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、多面的な測定とデータ駆動型の分析の融合による、樹脂セルロース材料の劣化機構の解明とその耐久性設計の提案を目的とする。基本戦略として、I:静的な劣化加速試験と動的な疲労試験の分析を行い、破壊機構と劣化機構を解明すると、II:機械学習によって、最適な安定化剤配合の探索を設定し、これらを解決することによって研究目的を達成する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、データ駆動型アプローチによる樹脂セルロース複合材料の劣化分析手法と安定化手法の構築を目的としている。近年、セルロースは種々の魅力的な物性だけでなく、バイオマス由来のためエコマテリアルとして注目されている。しかし、母材同様セルロースについても高分子材料であるために、劣化しやすい材料である。本研究課題では、劣化機構を解明し、その機構に基づき、遺伝的アルゴリズムを用いて安定化手法を開発し、長寿命化をデータ駆動型アプローチにより図ることである。本年度は、機会学習に用いる物性予測のプログラムの動作検証、および、課題1の静的な劣化評価方法の検証、および、課題2の動的な劣化試験の評価方法の検証を実施した。機会学習に用いる物性予測のプログラムの動作確認のために、保有する複合材料物性データベースを用いて異なる樹種から得られる植物バイオマス粉末の化学構造と物理構造(比表面積)の情報から衝撃性能を予測する手法を開発した。課題1では、静的劣化、本研究では熱酸化劣化について、成形加工時の条件を考慮して150-220℃の範囲の中でのセルロースの熱酸化劣化挙動の追跡を行った。具体的には、セルロース粉末の酸化劣化を化学発光により捉えることにより、スクリーニングの評価方法の検証を実施した。化学発光の最大強度までにかかる時間を指標として、今後安定化剤の評価の指標となることを明らかにした。熱酸化劣化による構造解析については、オーブンで化学発光測定と同条件で劣化したセルロース検体のIR分析を行った。課題2において、セルロースナノファイバーをフィラーとした複合材料の動的劣化、つまり疲労特性において、耐久性の温度依存を見出した。疲労試験前後をSAXS、WAXSにより成形体の高次構造の影響をを追跡し、異なる温度下での母材のある結晶形の疲労の影響を見出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請当初における1年目の目標は、樹脂セルロース複合材料の熱酸化劣化について、一定時間ごとのサンプリングによって得られる試験片の多面的な分析を実施するであった。フィラーとして用いたセルロースナノファイバーおよび射出成形機で作製された試験片を用いて、TGAやDSCをはじめとする熱分析、劣化前後の検体のNMR、IRをはじめとする分光法分析を実施した。また、課題2の動的劣化(疲労試験)の準備期間でもあり、測定条件、温度条件の検討を行った。また、疲労試験中に中赤外カメラ、近赤外分光法でモニターする評価手法も検討した。疲労試験前後のSAXS、WAXSによる母材高次構造の影響を観測した。
|
Strategy for Future Research Activity |
測定条件の検討において進捗状況は概ね順調に進行しており、静的、動的劣化の機構解明に向けて今後解析を行っていく。将来的に複数の安定化剤の組み合わせ・配合を検討するが、単一の安定化剤の検討も順次進めていく。
|