Project/Area Number |
23K13841
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 37010:Bio-related chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 賢 大阪大学, 蛋白質研究所, 特任研究員(常勤) (60914025)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 動的確分極NMR / DNP分極剤 / DNP-NMR / 生体膜 / 構造アンサンブル |
Outline of Research at the Start |
生体内環境は多くの化学種が多様な化学反応を引き起こす複雑な夾雑系であり、それぞれの分子の構造分布を明らかにすることは生命活動の理解につながると考えられる。電子スピンの分極を利用する動的核分極(DNP)-NMR法は通常のNMRと比べて原理的には約660倍の感度利得を得ることができるが、有機ラジカルを用いたDNP分極剤は、その反応性の高さから化学反応系中の直接観測には不適であった。 本研究では、高い安定性を有する新奇DNP分極剤と選択的に高感度化する手法を確立し、脂質過酸化反応中における生体膜および膜タンパク質の分子構造の分布の経時変化の直接観測を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は化学反応中においても失活しない化学的に安定な不対電子を持つ新奇DNP分極剤の開発と生体膜の生体化学反応中におけるDNP-NMR測定を目指している。有機ラジカルを用いたDNP分極剤は合成技術によってスピン間の相互作用の調節ができることから、高い分極移動効率を目指した研究が広く行われている。一方、有機ラジカルは反応性が高く、化学反応系中での使用には不適だと考えられるため、本研究ではナノ粒子の表面ダングリングボンドや金属錯体を使ったDNP分極剤の開発を行っている。 初年度は還元環境下(アスコルビン酸 1 M存在下)において不対電子が失活しないと報告がある金属錯体を用いたDNP分極剤の開発を実施した。既報のガドリニウム錯体を用いた実験では弱いながらもDNP-NMRの測定に成功した。また、特定の分子を認識する蛋白質と結合させた新規ガドリニウム錯体の合成に成功し、還元環境下でのESR測定から不対電子が失活しないことが確認できた。一方で、新規に合成した錯体を分極源としたDNP-NMRスペクトルは得られなかった。この原因としては金属錯体の電子スピンの緩和時間が短いために、磁化移動を起こすマイクロ波による飽和が十分に行えなかったことと、スピン量子数の大きいガドリニウムイオンによる検出核スピンへの常磁性緩和が強すぎたためだと考えられる。CW-ESRのマイクロ波パワー依存性測定により電子スピンの緩和時間の決定を試みているが、線幅が非常に広いためバックグラウンド信号が大きく出てしまい、測定は難航している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に計画していた金属錯体を用いた高い安定性を有する分子認識型DNP分極剤の合成には成功し、還元環境下でのESR測定から化学的に安定であることが示されたものの、DNPによるNMR信号の増強に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
金属錯体を分極剤として用いるには電子スピンを十分に飽和させるために電子スピンの緩和時間を延ばすことと、検出核の磁化を保持するために核スピンの緩和時間を延ばすことが重要だと考えられる。緩和時間は周囲環境によって変化することから、サンプルの濃度/マトリックス調整による緩和時間の調整を試みる。核スピンは周囲の電子スピンだけでなく核スピンの磁気双極子からも緩和を受けるため、磁気回転比の小さい同位体へ置換することで緩和時間の調整を試みる。また、励起マイクロ波の周波数変調により効率の良い磁化移動についても検討を行う。
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