Project/Area Number |
23K13844
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 37010:Bio-related chemistry
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松本 大亮 広島大学, 医系科学研究科(薬), 助教 (20889381)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 相同組換え / CRISPR-Cas9 / スクリーニング / ゲノム編集 / 相同性組換え |
Outline of Research at the Start |
本研究では、正確な遺伝子編集を可能とするために、相同性組換えを効率よく引き起こすCas9変異体を取得し、その特性評価をすることで、相同性組換えを優先的に引き起こすために必要な要因を特定していく。そのために、遺伝子編集が起こった細胞が生き残るシステムの構築とそれを用いたCas9変異体スクリーニングを行う。得られたCas9の変異箇所やin vitroでの解析によって、相同性組換えを効率良く引き起こすために必要な要素を探索する。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでに報告されたCas9変異体について相同組換え効率の評価を実施した。その結果、EMX1遺伝子を標的としたsgRNAを用いた際に、eSpCas9, SpCas9-HF1, LZ3Cas9において野生型Cas9と比較して高い相同組換え効率が得られた。これらのCas9変異体にはRuvCIIIドメインにおける変異が共通して見られることを見出した。さらに、これら3つの変異体についてこれまでに開発してきた細胞周期依存的な活性化系を導入した。3種類の標的配列について相同組換え効率をHEK293細胞を利用して評価した。その結果、予想に反してeSpCas9とLZ3Cas9をAcrIIA4-Cdt1やAcrIIA5-Cdt1で細胞周期依存的に活性化しても、相同組換え効率は向上せず、逆に減少する結果となった。一方でAcrIIA4-Cdt1を用いてSpCas9-HF1を細胞周期依存的に活性化させた場合に関しては、相同組換え効率が上昇し、オフターゲット作用も低減することがわかった。さらに標的配列における変異導入率も減少していた。これらの結果から、SpCas9-HF1とAcrIIA4-Cdt1を共発現することによって、正確な遺伝子治療を実現できる可能性が示された。 また、相同組換えを効率よく行う変異体を取得するスクリーニング系も構築し、スクリーニング条件の最適化を実施した。このスクリーニングシステムを利用してCas9変異体の選抜を行った結果、野生型Cas9と比較して相同組換えを誘発できるCas9変異体を取得できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Cas9変異体における相同組換え効率の違いを発見し、変異箇所によるCas9と標的DNAの相互作用変化と切断後のDNA修復機構の関係性が示唆された。特に、相同組換え効率という点において、標的配列のGC含量によって野生型Cas9の方が有利な場合と、変異体が有利な場合が明確に分かれた。今後はこの結果がなぜ起こったのかという点に着目し、研究を進めていく。 また、スクリーニングによって得られたCas9変異体において、野生型Cas9よりも高い相同組換え効率が得られたことから、この変異体においても詳細なメカニズム解析を遂行する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに見出したAcrIIA4-Cdt1によるSpCas9-HF1活性を制御するシステムを利用することで、in vivoにおける正確な遺伝子ノックインが可能かを評価する。 また、スクリーニング系についても引き続き実施し、得られた変異体がなぜHDR効率を向上させたのかという点についてメカニズム解析を実施する。
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