Preparation of core-shell particles with bone regeneration and antibacterial properties for the treatment of bone defects.
Project/Area Number |
23K13845
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 37010:Bio-related chemistry
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小松 周平 東京理科大学, 先進工学部マテリアル創成工学科, 助教 (60843844)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 骨欠損治療 / 有機無機ハイブリッド / 薬物放出 / 骨再生 / 有機無機複合 / 抗菌性 |
Outline of Research at the Start |
この材料を骨欠損の治療へ使用するために、本研究では以下の点を明らかにする必要があ ると考えている。 ① SrCO3粒子の基礎物性評価、② 骨芽細胞 (MC3T3-E1細胞)を用いて、骨再生能評価、③ 黄色ブドウ球菌を用いた抗菌性評価、④ マウスへのSrCO3粒子インジェクションによる骨再生・新生骨形成評価 これらを明らかにすることで、抗菌薬内包可能な骨再生能を持つSrCO3粒子により、骨再生 と薬物治療を同時に成し得る骨欠損治療が実現できると考えている。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「骨欠損治療を目指した骨分化能と抗菌性を持つコアシェル粒子の創製」を目的としている。骨粗鬆症や外傷などの骨疾患や加齢から生じる骨欠損は深刻な問題であり、治療が非常に重要である。そこで炭酸ストロンチウム (SrCO3)に注目している。本研究においてコアセルベート液滴をコア、シェルに骨誘導能を示す組成を制御した骨欠損治療のための粒子の調製および物性評価を目的としている。 SEM観察により作製した粒子は球状であり、内部に高分子濃厚層、シェルにSrCO3を持つことが分かった。内部の高分子濃厚相に比較的疎水性分子であるローダミンBが濃縮された。これはコアのコアセルベート液滴が疎水性相互作用により、粒子内部で形成されているため、ローダミンBも高分子濃厚相内部に内包されたためである。作製した粒子のXRD回折を行うと、SrCO3由来のピークが確認でき、作製溶液のSrCl2濃度が増加することで、SrCO3由来のピーク強度は増加した。さらに、その時のSrCO3の導入率も同様に結晶成長溶液中のSrCl2の濃度が増加することで増加し、結晶成長条件による制御が可能であった。したがって、結晶成長過程の外液により、SrCO3の導入が容易に可能であり、この結果から、多種のイオン種の導入が可能であることも示唆された。作製したそれぞれの組成比のシェルからのSr2+イオンの放出量を測定した結果、シェルに含有されているSrCO3の量に依存した放出量を示した。したがって、薬物内包、放出能力を持つと期待できる粒子の作製が本年度では明らかになり、詳細なデータを今後詰めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は「骨欠損治療を目指した骨分化能と抗菌性を持つコアシェル粒子の創製」を目的としている。骨粗鬆症や外傷などの骨疾患や加齢から生じる骨欠損は深刻な問題であり、治療が非常に重要である。そこで、本研究ではコアセルベート液滴をコア、シェルに骨誘導能を示す組成を制御した骨欠損治療のための粒子の調製および物性評価を目的としている。 作製した粒子は球状であり、内部に高分子濃厚層、シェルにSrCO3を持つことが分かった。内部の高分子濃厚相には比較的疎水性分子であるローダミンBが濃縮された。これはコアのコアセルベート液滴が疎水性相互作用により、粒子内部で形成されているためである。作製したカプセルのXRD回折を行うと、SrCO3由来のピークが確認でき、作製溶液のSrCl2が増加することで、SrCO3由来のピーク強度は増加した。さらに、その時のSrCO3の導入率も同様に作製条件のSrCl2が増加することで増加し、仕込み比での制御が可能であった 。作製したそれぞれのカプセルのシェルからのSr2+イオンの放出量を測定した結果、シェルに含有されているSrCO3の量に依存した放出量を示した。したがって、薬物内包、放出能力を持つと期待できる粒子の作製が本年度では明らかになり、詳細なデータを今後詰めていく予定である。 以上のことから、骨再生を可能とした薬物を内包可能な有機無機ハイブリッド粒子の作製ができたため、詳細な評価はこれからではあるが、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り、現状では骨再生能力をもちうる粒子が作製できたと考えているため、今後の研究方針としては、薬物放出能力の評価と粒子のシェルが有する骨再生能力を評価していく予定である。 具体的には、薬物放出に関する評価は、モデル薬物としてRhodamine Bを用いて粒子への内包量や内包効率の算出、経時的な放出量、骨再生環境と骨内の通常環境での放出量の比較等を行う予定である。一方で、骨再生能力に関しての評価は、MC3T3E-1細胞を粒子存在下で培養させることで、骨細胞への分化を評価しようと考えている。骨分化は、骨形成マーカーであるアルカリフォスファターゼ、オステオポンチン、オステオカルシン、コラーゲンなどの発現量、産生量などの定量を行い評価する予定である。 加えて、内包させる薬物を抗菌薬に変え、抗菌薬を内包した粒子存在下で、黄色ブドウ球菌を培養させることで抗菌性の評価を行っていこうと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)