RNA化学修飾操作技術を用いた脳エピトランスクリプトミクス制御の解明
Project/Area Number |
23K13857
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 37030:Chemical biology-related
|
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
朝光 世煌 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 研究員 (70849091)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | RNA化学修飾 / 核酸高次構造 / 中枢神経系 / RNA修飾 / ノンコーディングRNA |
Outline of Research at the Start |
RNAの化学修飾は約150種類あると言われており、トランスクリプトミクスとプロテオミクスの橋渡しをする新たな遺伝子発現制御層「エピトランスクリプトミクス」として近年生命科学や医学分野で注目を浴びている。しかしながら中枢神経系におけるエピトランスクリプトミクス制御の役割に関しては、適用可能な分子ツールが未発達であるため未開拓な部分が多い。本研究課題では、RNA化学修飾を制御可能な分子ツールを改良・実装することで、非コードゲノム領域から転写されるRNAの化学修飾が神経機能に与える影響の一端の解明を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
RNAの化学修飾は約150種類あると言われており、トランスクリプトミクスとプロテオミクスの橋渡しをする新たな遺伝子発現制御層「エピトランスクリプトミクス」として近年生命科学分野で注目を浴びている。しかしながら中枢神経系におけるエピトランスクリプトミクス制御の役割に関しては、適用可能な分子ツールが未発達であるため未開拓な部分が多い。本研究課題では、RNA化学修飾を制御可能な分子ツールを神経細胞に実装することで、非コードゲノム領域から転写されるRNAの化学修飾が神経機能に与える影響の一端の解明を目指す。 本年度は、RNAの化学修飾の内、中枢神経系における解析が比較的進んでいるアデニン6位のメチル化(m6A)に着目し、m6Aの成体マウス脳における脳領域特異的な分布を次世代シーケンシング技術を用いて網羅解析した。ここでは、免疫沈降を行う前に、RNAサンプルに固有のバーコード配列を付与しそれらをプールすることによって、一度に複数のサンプル由来のRNAを同時にアッセイする方法を応用した。これにより、脳の細かい領域間のm6Aの分布や量を正確に定量することができると考えた。結果的に、この手法を用いることで、海馬領域と前頭前皮質領域において、m6Aの全体量と位置の違いを定量的に観測することに成功した。来年度は、この評価モデル系を用いることで、神経細胞においてm6A修飾を制御することができる技術の開発へと展開させる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、メッセンジャーRNAに豊富に存在するアデニン6位のメチル化 (m6A) が中枢神経系に与える分子メカニズムに着目し、m6Aを制御することで新たな分子神経科学的機能を発見・探究することを目的としている。本年度では、その予備検討として、m6Aを定量的かつ網羅的に検出可能な技術であるm6A-Seq2を駆使することで、マウス脳の脳領域特異的なm6Aプロファイリングに成功した。この解析手法を基盤とし来年度に実施予定であるm6Aを制御する技術の構築が可能となった。以上の研究進捗を踏まえ、おおむね順調に進展していると評定した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、m6Aの分布を定量的かつ網羅的に解析する技術を成体マウス脳を用いた解析に応用することに成功した。来年度はこの解析系を用いて、m6A修飾を制御する分子ツールの開発へと展開していく。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)