Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
乳酸菌と酵母の複合微生物系である自然発酵パン種は、パン類の製造に用いられる伝統的種菌である。自然発酵パン種の微生物叢は興味深く、継代を繰り返すうちに微生物叢が変遷することが知られている。この微生物叢の変遷には規則性があることが報告されているが、スターター菌を添加しない非殺菌開放系発酵でなぜ規則性が生じるのかは不明である。本研究では自然発酵パン種の微生物種間に働く相互作用に着目し、その複合微生物系を個体群集の動態理論によって数理モデル化することで、自然発酵パン種の微生物叢の変遷原理に迫る。本研究によって、伝統食品の発酵など様々な有用複合微生物系の変遷を理解し制御するための学術的基盤の整備を図る。