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Rapid determination of oil oxidation mechanisms

Research Project

Project/Area Number 23K13899
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 38050:Food sciences-related
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

乙木 百合香  東北大学, 農学研究科, 助教 (90812834)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
KeywordsNIR / LC-MS/MS / 脂質酸化 / 食用油 / 酸化原因 / 多変量解析
Outline of Research at the Start

食用油は容易に酸化劣化するため、迅速に酸化原因を見極める有用性は大きい。申請者の研究グループでは酸化原因を特定できるLC-MS/MS法を開発し、この需要を実感しているが、LC-MS/MSで『迅速』は夢物語であった。こうした中、非破壊分析法のNIRで、『迅速』に食用油の酸化原因を特定できる可能性に気づいた。本研究ではこの発見を深化し、食用油などの脂質酸化原因を迅速に特定できるNIR法を完成させる。また、NIR法では大半の場合、測定原理が不明なことが課題のため、LC-MS/MS法や多変量解析、量子計算などを駆使し、酸化原因の判別に関する分子レベルでのNIR測定原理の解明に挑み、学術的発展に繋げる。

Outline of Annual Research Achievements

食用油は容易に酸化劣化するため、迅速に酸化原因(熱や光)を見極める有用性は計り知れない。実際に申請者の研究グループでは酸化原因を特定できるLC-MS/MS法を開発し、この需要を実感しているが、LC-MS/MSで『迅速』は夢物語であった。こうした中極最近、非破壊分析法の1つである近赤外分光分析(NIR)で、『迅速』に食用油の酸化原因を特定できる可能性に気づいた。本研究ではこの発見を深化し、食用油などの脂質酸化原因を迅速に特定できるNIR法を完成させることを目的としている。
令和5年度は、主にNIR法を用いた酸化原因特定技術の構築を行った。まず、植物油としてキャノーラオイルを用い、熱や光によって酸化させモデル試料とし、NIRスペクトルを取得した。NIRスペクトルをPCA解析した結果、植物油のNIRスペクトルのうち5500-4500 cm-1の領域を用いると酸化原因を区別できることが示された。PCAのローディングプロット解析により、遊離カルボニル化合物の増加を示す遊離カルボニル伸縮モードの第二倍音のバンドが、この分離に貢献していることが明らかとなった。次いで、LC-MS/MS解析により、脂質過酸化物(TGOOH)異性体を解析したところ、光または熱酸化させた油からそれぞれの酸化に特異的に生じるTGOOH異性体の増加が確認された。そこで、TGOOH定量値を目的変数、NIRスペクトルを説明変数(PCAで定めた領域)とし、部分最小二乗法回帰分析に供したところ、どのTGOOH異性体においても堅固な検量モデルを作成できた。従って、NIRによる植物油の酸化原因の特定、及びTGOOH異性体定量法が構築された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和5年度は、本研究の要である“NIRを用いた植物油の酸化原因の特定、及びTGOOH異性体定量法”を構築することができた。ただし、NIR法では大半の場合、測定原理(スペクトルと対象化合物の関係)が不明で大きな課題であるため、申請者らのLC-MS/MS法や多変量解析、量子計算などを駆使し、酸化原因の判別に関する分子レベルでのNIR測定原理の解明にも挑んだ。その結果、TGOOHが分解して生じる酸化二生成物や水の生成がNIRスペクトルに反映されることで間接的にTGOOH異性体の定量が達成できていると考えられた。本研究成果により、NIRの国内外の公定法への採用、酸化原因の把握とその徹底管理による食の安全性担保、特定の酸化原因に対する抗酸化性を強化した新機能性食品の創成に繋がる。さらに、本研究で解明する測定原理を各種有機物へ応用すれば、我々の生活を支える様々な製品の酸化評価や、その抗酸化対策への寄与も期待でき、本研究の社会的意義と波及性は極めて大きいと期待される。

Strategy for Future Research Activity

令和5年度の研究成果を受け、キャノーラオイルの酸化原因特定、およびTGOOH異性体解析を達成できたため、本法をオリーブオイルなどの他の植物油に応用する。また、スペクトルと対象化合物の不明瞭な関係性はNIR領域の最も大きな学術的課題の一つである。そこで、「酸化原因を迅速に定量評価できるNIR法」を対象に、①検量モデルの構築に最も寄与する化合物群を推定、②化合物群の予測スペクトル値を算出、③化合物群を有機合成して予測値と実測値を照合する。本ストラテジーに基づいて分子レベルでのNIR測定原理の解明試みる。なお、検量モデルの構築にTGOOHが直接寄与しない可能性も想定し、TGOOHの分解で生じる酸化二次生成物も網羅的に解析する。多変量解析で検量モデルへの寄与が高い化合物群を明らかにし、各化合物の量子化学計算に基づき、基本音(赤外領域)の振動数を決定した後、非調和性を加味した倍音と結合音(近赤外領域)のスペクトルを予測する。予測値の妥当性を評価するため、対象化合物群を有機合成し、これらの赤外やラマン分光スペクトルを測定、NIRスペクトルの実験値と照合する。以て、「酸化原因を迅速に定量評価できるNIR法」の測定原理を解明する。
重要なこととして、本測定法は食品だけでなく、脂質を含む化粧品や工業油脂さらには生体試料(血液、尿、等)の測定にも適用可能と考えられる。よってNIRの測定原理を解明し、様々な日用製品の品質維持・向上技術や、日常生活における我々の身体の酸化原因を簡便に測定する技術の開発への展開を目指す。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (4 results)

All 2023

All Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 2 results)

  • [Presentation] NIRとLC-MS/MSを活用した 脂質酸化原因特定法に関する研究2023

    • Author(s)
      ○乙木百合香, 加藤俊治, 仲川清隆
    • Organizer
      酸化脂質研究会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] NIRとLC-MS/MSを 活用した生体脂質解析2023

    • Author(s)
      ○乙木百合香, 加藤俊治, 石川大太郎, 仲川清隆
    • Organizer
      第39 回近赤外フォーラム
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] リグナン分析試験法の構築に向けた取り組みと課題2023

    • Author(s)
      乙木百合香
    • Organizer
      日本油化学会 第22回 基準油脂分析試験法セミナー
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Invited
  • [Presentation] The use of NIR in quality control of vegetable oils ;examples of lipid hydroperoxide and lignan analysis2023

    • Author(s)
      乙木百合香
    • Organizer
      Japan Oil Chemists’ Society Standard Methods Committee Special Seminar
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Int'l Joint Research / Invited

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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