Project/Area Number |
23K13948
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 39030:Horticultural science-related
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
根岸 克弥 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門, 研究員 (50964003)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | リンゴ / ゲノム編集 / 幼若期 / 花成 / 相転換 / 果樹 |
Outline of Research at the Start |
リンゴを含む多年生果樹では、幼若期の長さが迅速な育種の障害となっている。近年ではゲノム編集技術CRISPR/Cas9の活用も研究が進んでいるが、ゲノム編集個体にも幼若期が存在するため、果実形質の評価や実用化の制約となっている。本研究では、齢依存的な相転換制御を行うmicroRNA156および転写因子SPL経路に注目した解析から、リンゴの幼若期の制御機構を明らかにすると同時に、ゲノム編集技術を用いてリンゴのSPLを改変することで、相転換の促進が可能かを検証する。これらの研究により、ゲノム編集を活用した多年生果樹の幼若期短縮に繋がる成果を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
リンゴを含む果樹は栄養成長を継続する幼若期が存在するため、従来の交雑育種に長い年月を必要とする。近年ではゲノム編集技術CRISPR/Cas9を用いた育種の加速が期待されているが、現在のゲノム編集では変異が生じた再分化個体も数年間にわたり栄養成長を継続する幼若期を過ごすため、果実形質などの評価には多大な時間と労力を必要とする。そこで本研究では、リンゴの幼若期の制御機構を解明して、ゲノム編集技術による幼若期の短縮をおこなうことで、育種に必要な期間を短縮した次世代の育種技術の基盤開発を目指す。 モデル植物などの研究から、年齢に依存した相転換を制御する経路として、microRNA156(miR156)-SQUAMOSA PROMOTER BINDING PORTEIN LIKE (SPL)が知られているため、はじめにリンゴのゲノムデータベースから、リンゴにおける相同遺伝子を探索した。シロイヌナズナで相転換制御にかかわるAtSPL3と相同性が高く、3'UTRにmiR156標的配列を持つリンゴのSPL相同遺伝子(MdSPL)を6遺伝子同定し、これらの6遺伝子について、ふじ品種のゲノムから遺伝子をクローン化して配列を確認した。さらに、3'UTRを含まないCDS配列を過剰発現するベクターを構築して、シロイヌナズナに形質転換を実施した。形質転換体の花成表現型を調べたところ、6遺伝子中4遺伝子で、野生型に比べて顕著な早咲きの表現型が観察された。 また、これらのMdSPLについて、miR156標的配列を含む3'UTRをゲノム編集で欠失させることで幼若期を短縮できるかどうかを調べるために、sgRNAを設計して、予備的な変異導入実験を実施した。現在、いくつかのMdSPLについて、細胞レベルでは変異導入に成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
相転換制御に関わる可能性があるMdSPLを複数同定して、それらのゲノム編集に向けた実験も進めているため、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度同定したMdSPLのゲノム編集に向けてふじでのゲノム編集に取り組む。 また、MdSPLのリンゴでの機能解析を進めるために、リンゴでのMdSPLの発現解析を進める。そのために、実験室環境でのリンゴ培養物からの遺伝子発現解析と、野外圃場でのサンプリングを計画している。 MdSPLの下流遺伝子の解析に向けたDAP-seqなどの網羅的解析を計画しており、その準備としての発現コンストラクトの作成やタンパク質合成に着手する。
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