Project/Area Number |
23K13950
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 39030:Horticultural science-related
|
Research Institution | Shimane Agricultural Technology Center |
Principal Investigator |
大畑 和也 島根県農業技術センター, 栽培研究部, 専門研究員 (80512574)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
|
Keywords | カキわい性台木 / 緑枝挿し / 発根 / 新梢色 |
Outline of Research at the Start |
カキわい性台木「豊楽台」は緑枝挿しによってクローン繁殖出来る希少な品種である。これまでに植物生育調節剤濃度やミスト散布間隔などの条件を明らかにしてきたが、新梢採穂時期や採穂位置により発根が安定しない場合があった。そこで「豊楽台」の緑枝挿しによる効率的な繁殖方法を確立するため、挿し木に最適な新梢診断技術を開発するとともに、形態学的観察、枝梢の内容成分変化分析および分子生物学的手法を用いて発根メカニズムを解明する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
カキ「豊楽台」は「西条」などでわい化が確認され、高生産性で低樹高・省力栽培が可能なわい性台木である。また、緑枝挿しが可能であるためクローン繁殖が可能である。しかし、新梢の充実程度、採穂時期や挿し穂調整部位などによって緑枝挿し後の発根率が異なる。そこで、本研究ではカキわい性台木「豊楽台」の緑枝挿しにおける繁殖効率を高めて大量増殖を可能にするため、緑枝挿しに最適な挿し穂条件を明らかにするとともに、発根メカニズムに関する基礎的知見を獲得することを目的としている。 「豊楽台」の新梢生育特性を調査した結果、新梢の伸長停止時期は5月下旬から6月下旬であり、新梢長によって異なることが明らかとなった。新梢長が短いほど伸長は早く停止し、葉色も早くから濃くなった。また、新梢色はa*値の変化が最も大きく、新梢採取の指標となる可能性が示された。 「豊楽台」の新梢を7月に採取し、調整した挿し穂と発根の関係を調査した結果、新梢長とそこから調整した挿し穂における発根の有無に一定の関係は認められなかった。発根する挿し穂を獲得した新梢基部はやや濃い茶色であり、色見本で示すことができると考えられた。また、発根した挿し穂では未発根の挿し穂と比較して葉が厚く、挿し穂基部の色が濃い特徴があり、新梢基部と同様に色覚化できることが示唆された。そして、葉及び茎部の乾物率は発根した挿し穂で低くなった。しかし、発根した挿し穂数が少なく、内容成分の分析をするまでには至らなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新梢の生長特性及び発根しやすい挿し穂の特性は概ね明らかとなったが、夏季の高温が原因と考えられる緑枝挿し後の落葉個体数増加と発根率の低下により、各種分析に供試する試料数が少なくなったため、枝梢内の成分と発根との関係を検討することができなかった。発根率の低下対策として、ミスト施設の遮光および湿度保持環境を最適化し、未落葉率及び発根率を高める予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究として、まず、「豊楽台」の母樹において、緑枝挿しに適した新梢の発生部位を明らかにする。次にミスト施設の環境改善と増設を行うことで、緑枝挿し後の発根率を高めるととともに時期別緑枝挿し本数を増やし、枝梢内成分の変化、発根関連遺伝子発現の解析を効率的に進める。また、採取に適した新梢色は前年に測定した色差計値を基に色見本を用いてカラーチャートを試作し、その実用性を検討する。なお、遺伝子発現解析用プライマーの作成は早急に進める。
|