Project/Area Number |
23K13965
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 39050:Insect science-related
|
Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
小林 大介 国立感染症研究所, 安全実験管理部, 主任研究官 (40829850)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
|
Keywords | マダニ媒介ウイルス / マダニ / ex vivo / 器官培養 / カブトマウンテンウイルス / SFTS / ベクター / 媒介動物 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、ウイルス感染に重要と思われるマダニの各種器官(中腸・唾液腺)の生体外(ex vivo)培養系を確立する。その後、確立した実験系を用いて培養したマダニの各種器官にウイルスを感染させ、免疫組織化学的な手法等を活用してウイルスの感染・増殖動態を解析・評価し、ウイルス媒介マダニ種を特定する方法を開発する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
まず当初の計画通りに、野外採集マダニを用いたマダニ器官のex vivo培養法の確立を試みた。群馬県や富山県など国内各所においてマダニの採集を行い、キチマダニを含む数種のマダニ個体を採集した。これら野外で採集されたマダニの雌成虫を用いて、界面活性剤やエタノールなどにより虫体表面の洗浄と消毒を行い、最適な消毒条件を検討した。その後、洗浄・消毒したマダニ個体を解剖して中腸や唾液腺などを摘出し、ライボビッツL-15培地などをベースとした培養液中で培養を行い、細胞の生存率などを観察した。その結果、数週間にわたって、これらマダニ由来の器官を培養維持することに成功した。続いて、同様の方法によって培養維持した器官に、カブトマウンテンウイルス(KAMV)を接種し、経時的に培養上清のサンプリングを行った。培養上清中のウイルスRNA量の変化をリアルタイムPCRによって測定した結果、経時的なウイルスRNA量の増加が確認されたことから、マダニ器官のex vivo培養法とともにこれを用いたKAMVの感染実験法を確立した。 また、レポーター遺伝子を搭載した遺伝子組換えKAMVを作製するべく、ウイルスゲノムcDNAのクローニングを進めた。ウイルスのL分節に関しては、完全長cDNAのクローニングに成功した。その他の分節においても、現在、完全長cDNAのクローニングを試みている。 さらに、KAMVのNタンパク質およびNSsタンパク質に対する特異抗体を作製するため、大腸菌を用いたタンパク質発現系に用いる発現ベクターの作製と発現条件の検討を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
様々な実験条件を検討することによって、当初の計画通りにマダニ器官のex vivo培養法を確立することができた。さらに、それを用いたウイルス感染実験系の確立にも成功したことから、おおむね順調に進展していると評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、完全長のウイルスゲノムcDNAのクローニングを行い、カブトマウンテンウイルスのリバースジェネティクス系の作製を行う。それをもとに、レポーター遺伝子を搭載した組換えウイルスの作製とex vivo感染実験系によるウイルス感染マダニ種の特定実験を計画している。さらに、マダニ器官におけるウイルスの局在などを解析するため、ウイルスタンパク質の大腸菌での発現と精製を引き続き行い、それを抗原として作製したウイルス特異抗体を用いた免疫組織化学的な解析を実施する予定である。
|