Project/Area Number |
23K13978
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 39070:Landscape science-related
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
原田 芳樹 中央大学, 理工学部, 准教授 (70866459)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | バイオ炭 / 粒径 / 混入量 / 窒素溶脱 / 竹炭 / 窒素利用効率 / 水利用効率 / 持続可能な農業 / グリーンインフラ / 土壌改良 / 生態系サービス |
Outline of Research at the Start |
竹で作った炭は竹炭と呼ばれ、都市型グリーンインフラの土壌に配合することで、水と肥料を利用する効率を改善し、雨水貯留やヒートアイランド現象緩和、水質改善、炭素固定といった生態系サービスを向上させることができる。しかし、竹炭の配合条件(配合量、粒径分布、配合対象)により、水と肥料の利用効率は大きく変化するため、最適な配合条件と、その際の効果(生態系サービス供給量)を特定する必要がある。本研究は、都市型グリーンインフラ事業で改良対象となる代表的な土壌(公園に在来の土壌、雨水貯留用土壌、屋上緑化用土壌、園芸用土)に対し、水・肥料利用効率を最大とする竹炭の配合条件を特定することを主な目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
竹炭の混入量と粒径が作物の収量と窒素溶脱量に与える影響に関して、室内実験を通して検証を行った(2024年1~3月)。フィールド実験においては、降水量の調整や、排水サンプルの採取や保存が比較的難しくなるため、室内実験を通してまずは基礎的な知見を得ることが重要である。当該の室内実験は終了したばかりであり、2024年度にサンプルの分析とデータの解析を行う予定である。排水に含まれる窒素量に加え、作物体も分析を行うことで、竹炭による土壌改良と窒素の利用効率の関係を、より詳しく理解する研究を目指している。
またこれまでは、竹炭の混入量を大きく変えて(例えば体積比率にして10, 20, 30, 40%など)、収量を比較する実験を行ってきたが、これまでの若手研究プロジェクトでは、混入量が体積比率にして10%以下で、収量が大きく変化する可能性が分かったため、当該の範囲を詳しく調べる実験も行った(2023年5~9月)。しかし、屋外実験において天候不良に見舞われ、どのサンプルも収量が極端に少なかったため、竹炭を使用した土壌改良の効果を統計的に比較する事が困難な結果となった。当該の実験に関しては、2023年度末に準備を再開し、2024年度に再実験を行う予定である。
また、肥料と水の利用効率を高める技術の一つとして、竹炭の混入が緑肥の成長に与える影響に関して、屋外での事前実験を行い(2023年5~9月)、実験を開始するために十分な知見を得た。同様に、関連する技術の一つとして、竹炭をもちいて土壌改良を行った土壌に対する、菌根菌の使い方に関しても、基本的な調査を行い、実験に向けた準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの若手研究プロジェクトでは、竹炭の混入量を大きく変えて(例えば体積比率にして10, 20, 30, 40%など)、収量を比較する実験を行ってきたが、混入量が体積比率にして10%以下で、収量が大きく変化する可能性が分かったため、2023年5~9月には当該の混入量の範囲を詳しく調べる実験も行った。しかし、屋外実験において天候不良に見舞われ、どのサンプルも収量が極端に少なかったため、竹炭を使用した土壌改良の効果を統計的に比較する事が困難な結果となった。当該の実験に関しては、2023年度末に準備を再開し、2024年度に再実験を行う予定である。
2023年5~9月には、肥料と水の利用効率を高める技術の一つとして、竹炭の混入が緑肥の成長に与える影響に関して、屋外での事前実験を行い、実験を開始するために十分な知見を得た。同様に、関連する技術の一つとして、竹炭をもちいて土壌改良を行った土壌に対する、菌根菌の使い方に関しても、基本的な調査を行い、実験に向けた準備を進めている。
2024年1~3月に、竹炭の混入量と粒径が作物の収量と窒素溶脱量に与える影響に関して、室内実験を通して検証を行った。当該の室内実験は終了したばかりであり、2024年度にサンプルの分析とデータの解析を行う予定である。排水に含まれる窒素量に加え、作物体も分析を行うことで、竹炭による土壌改良と窒素の利用効率の関係を、より詳しく理解する研究を目指している。作物が成長し、サンプル間での差もはっきりと目視できたことから、重要な知見が得られることを期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年1~3月に、竹炭の混入量と粒径が作物の収量と窒素溶脱量に与える影響に関して、室内実験を通して検証を行った。2024年度はこの実験で採取したサンプルの分析と、データの解析により、竹炭の混入量と粒径が作物の収量と窒素溶脱量に与える影響に関する研究を進めていく。
2023年5~9月には土壌体積比率に換算して10%以下の範囲で、竹炭の混入量が収量に与える影響を詳しく調べる実験も行ったが、屋外実験において天候不良に見舞われ、どのサンプルも収量が極端に少なかったため、竹炭を使用した土壌改良の効果を統計的に比較する事が困難な結果となった。当該の実験に関しては、2024年6月から再実験をおこなう予定である。2024年度後半はこの実験で採取したサンプルの分析と、データ解析を通して、竹炭の混入量が収量に与える影響を詳しく理解する予定である。また、この実験では竹炭を混入した土壌における菌根菌やそのパートナー細菌が、作物収量に与える影響も検証する予定である。将来的には、竹炭による土壌改良が菌根菌やそのパートナー細菌、だけでなく、緑肥の窒素固定細菌に与える影響に関しても研究の範囲を拡大していく予定である。
また、2024年度の実験では、土壌からDNAサンプルを採取し、アンプリコン解析を行う予定である。土壌植生実験とDNA分析を組み合わせて、竹炭による土壌改良が微生物に与える影響と、収量や窒素溶脱量を比較する研究を将来的には行っていきたい。このような研究を展開することにより、バイオ炭が水や肥料の利用効率に与える影響をより幅広い視点から理解する枠組みを整えていく予定である。
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