Project/Area Number |
23K13998
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 40020:Wood science-related
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
宮城 一真 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 任期付研究員 (60909266)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | セルロース誘導体 / 液晶 / 構造色 / ポリマーブレンド / 置換度 / 相容性 / 液晶性 / バイオマスプラスチック |
Outline of Research at the Start |
液晶性セルロース誘導体は、コレステリック液晶と呼ばれる高次構造を形成し、特定波長の光を選択的に反射することで構造色を示す特徴を有する。さらに、セルロース誘導体は基本的に熱可塑性を有することから、液晶性セルロース誘導体は、合成高分子や化学染料フリーな自家発色バイオマスプラスチックとしての利用が期待できる。しかしながら、単一の液晶性セルロース誘導体では構造色と物性を独立に制御できないという問題がある。本研究では、異なる化学構造の液晶性セルロース誘導体のブレンドを起点とした、構造色と物性を独立制御可能な自家発色バイオマスプラスチックの開発に取り組み、環境調和型社会の実現に寄与することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
セルロース誘導体は、コレステリック液晶(CLC)と呼ばれるらせん状の高次構造を自発的に形成し、らせんピッチと同等の波長の光を選択的に反射することで構造色を示す。この特徴に着目し、本研究では、セルロース誘導体のみから成る自家発色性バイオマスプラスチック作製法の開発を目的とした。このような材料は、石油系の樹脂や染料を使用しないカラープラスチックとして環境汚染の低減に貢献することが期待できる。 セルロース誘導体が形成するCLC構造のらせんピッチは、セルロース誘導体の置換度に強く依存するため、置換度を変えることで様々な構造色を実現できる。しかしながら、置換度は力学物性にも影響することから、単一のセルロース誘導体では置換度を通じて構造色と力学物性を独立に制御することは不可能であり、この点がカラープラスチックとしての応用のネックとなる。このような単一の高分子における物性的な制約を解決するための代表的な手法として、特性の異なる異種高分子の混合(ポリマーブレンド)がよく知られている。 そこで本研究では、異なる置換度のセルロース誘導体をブレンドすることで、構造色と力学物性の独立制御を実現することを目的とした。異なるアセチル基置換度(アセチル化度)のアセチル化ヒドロキシプロピルセルロースを数種類合成し、それらのブレンドを調製した。各ブレンドの分光測定、引張試験、および相容性評価の結果、ブレンドを構成するセルロース誘導体が非相容であれば、構造色と力学物性の独立制御が実現できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では液晶性セルロース誘導体として、アセチル化ヒドロキシプロピルセルロース(AHPC)を使用した。異なるモル比でHPCと無水酢酸のエステル化反応を行い、種々のアセチル化度のAHPCを合成した。異なるアセチル化度のAHPCを共溶媒であるTHFに溶解し、溶液キャストによりAHPCブレンドを調製した。 各ブレンドの紫外可視反射スペクトルを測定した結果、アセチル化度1.8のAHPC(紫色)とアセチル化度0.8または3.0のAHPC(無色)のブレンドでは、いずれも前者の成分に由来する紫の構造色を示した。一方、これらのブレンドの引張試験を行った結果、力学物性は大幅に異なることが示された。したがって、異なるアセチル化度のAHPCをブレンドすることにより、構造色と力学物性を独立制御できることが明らかになった。スピン-格子緩和時間測定によりこれらのAHPCブレンドの相容性評価を行ったところ、いずれも非相容であることがわかった。この結果から、ブレンドを構成するAHPC成分が非相容であると、それらが相分離し、一方が構造色を、もう一方が力学物性を担うことで、両特性の独立制御が可能になると考察した。 以上のように、初年度の計画であったセルロース誘導体のブレンドによる構造色と力学物性の独立制御を実現したことに加え、その原理も解明したことから、当初の計画以上に研究が進展したと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究によって、異なる置換度のセルロース誘導体のブレンドにおいて、ブレンド条件と構造色および力学物性の関係を明らかにした。一方、今回使用したセルロース誘導体はアセチル化ヒドロキシプロピルセルロース(AHPC)のみであるため、置換基種はアセチル基に統一されており、異なる置換基種のセルロース誘導体のブレンドには着目していない。今後は、異なる置換基種のセルロース誘導体ブレンドについて、ブレンド条件と物性の関係解明に取り組む。使用するセルロース誘導体はAHPCに加え、プロピオニル化HPC、ブチリル化HPC、ペンタノイル化HPCなどを考えている。
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