ソコダラ科ホカケダラ属魚類の系統分類と進化パターンの解明
Project/Area Number |
23K14010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 40030:Aquatic bioproduction science-related
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
中山 直英 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 講師 (40781894)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 分類学 / 生物多様性 / 深海魚 / 水産顎 / 系統分類 / 分類 / 系統 / 形態 / 多様性 |
Outline of Research at the Start |
ソコダラ科のホカケダラ属は深海底を代表する魚類の一群で(世界から65種以上)、生物学や水産学を含む様々な分野で研究されてきた。しかし、属と種レベルで分類が混乱しており、普通種ですら同定が難しく、学名が付けられていない種も存在する。一方、属内の種間では、形態的特徴が生息水深などと対応して連続的に変化するが、その進化学的な理解は進んでいない。そこで本研究では、形態および遺伝的情報を用いて(1)ホカケダラ属の亜属レベルの分類の再定義、(2)種多様性の把握と、各種の形態および遺伝的情報の整備、(3)生息水深と形態的特徴の進化学的な関連性の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,深海底を代表する魚類の一群であるソコダラ科のホカケダラ属Coryphaenoides Gunnerus, 1765を対象に,(1) 本属の亜属レベルの分類を再定義すること,(2) 種レベルの多様性を包括的にレビューすること,(3) 生息水深および形態形質の進化的な関連性を解明することを目指している. 研究機関3年の初年度となる令和5年度は,現所属に保管されている標本(とくに,グリーンランド産,ニュージーランド産,東南アジア産など)と,国内外の研究機関から借用した標本(とくに西太平洋産)について,外部形態の計測や体側鱗の形態観察を実施した.これらの検討と文献調査の結果,申請段階で未記載種の候補と想定していた複数種のうち南シナ海産の1種については,頭部の被鱗域,体側鱗の形態,鰭条数,および頭部の計測形質の組み合わせが既知種のいずれにも合致せず,明らかな未記載種と確認されたため,記載論文の投稿に向けた原稿執筆を行っている.また,これまで3大洋に広域分布すると考えられてきたダイコクヒゲCoryphaenoides rudis Gunther, 1878には2種が含まれる可能性が示唆された(南シナ海産標本の形態的特徴が,その他の海域のものに合致しない)ため,現在詳細な検討を進めている.一方,これまでの調査によって国内各地から得られ,現所属に保管されている本属の組織サンプルの内訳を把握・検討し,来年度以降の追加採集などの計画を立てている.なお,本年度は台湾の研究協力者が来日したため,研究計画の確認や来年度の実施内容の検討などについて,直接打ち合わせすることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
転職による所属機関の変更により,当初予定していなかった環境整備などに時間が割かれ,研究の開始時期が遅れてしまった.また,ライフイベントの影響で,当初予定していた学会参加,野外調査,他機関での標本調査などを次年度以降に見送った.ただし,手元にある研究資料の検討・解析は着実に進んでいるため,「おおむね順調に進展している」と判断した..
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Strategy for Future Research Activity |
アメリカ,フランス,オランダ,および東南アジアの研究機関を訪問し,学名の基準となるタイプ標本を含めた所蔵標本の現地調査を実施する(滞在先は標本の観察状況や現地研究者との調整によって変更する場合がある).一方,属内の系統解明やDNAバーコーディングなどの遺伝的分析に本格的に取り掛かる.執筆中の論文も含め,得られた成果を誌面・学会などで順次公表する.
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)