Project/Area Number |
23K14027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 41010:Agricultural and food economics-related
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
阿部 景太 武蔵大学, 経済学部, 准教授 (90973793)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 資源経済学 / 水産資源管理 / 共有資源利用 / 情報共有 / 持続可能性 |
Outline of Research at the Start |
水産改革において、新しい水産・海洋産業を形成するためには、漁業者の行動分析モデルが必要とされる。本研究では、情報共有による漁獲行動の協働化が水産業の持続性を改善するかを明らかにするため、理論・実証の両面から研究を行う。気仙沼近海延縄船団を対象に、漁業者の行動や経済的成果に情報共有が与える効果とそのメカニズムを解明することで、持続的な水産業の提言が期待される。船団内での明示的な情報共有のデータを分析することで、情報共有の効果を測定することが可能である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、気仙沼遠洋漁業組合でのインタビューを実施し、現場の状況と課題を把握した。現時点では、実質的に共同操業は行われていないこと、水揚げ日の調整が水揚げ価格の下落を防ぐ効果があったこと、人員確保が最大の課題であることが明らかになった。 次に、大量の未整理の操業データを取得し、これを分析可能な形に整理する作業を行った。データの整理には学生に協力してもらい、構造化されたデータを保存することが可能となった。 また、当初予定していた共同操業のモデルについては、現実の状況との間にギャップがあることが明らかになった。具体的には、情報を航海中に共有するという原案は、実際には個人的な操業状態に戻ってしまっていることがわかった。しかし、水揚げのタイミングを調整するという新たな視点から価値を見出すことが可能となった。これは、同じ漁獲量でもその価値が変わる可能性があるという観点から、部分的な協働で経済的な価値を生む可能性があると考えられます。そのため、このアイデアに基づく理論的な一般化を検討している。 研究成果としては、予定通り国際雑誌に成果を発表する目標に変更はない。研究のアプローチは変わらないが、研究対象としての協働化の定義を少し変えて分析や理論化を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は研究実績として発表しているものはまだないが、研究計画の通りワーク・パッケージ1のインタビューと、ワークパッケージ2の理論モデルのための背景の検討を行うことができた。また、未整理の操業データの取得や整理も進んでいることから、概ね順調に発展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針としては、まず水揚げのタイミングを調整するという新規の視点から理論化を進めていくこととする。これは部分的な協働が経済的な価値を生む可能性があると考えられるため、理論的な一般化に取り組む価値があると考える。 また、前述したように現地の状況と課題を把握した上で、具体的な対策の検討も進めていくこととします。特に人員確保の問題は深刻であり、これに対する解決策を模索することが必要となりうる。この人員確保策は、本研究課題のメイン課題ではないが、サブ課題として並行して検討する。 さらに、得られた大量の操業データを用いて具体的な分析を進め、理論と現実のデータとの間のマッチングを図ることも重要なタスクとなる。 次年度の7月に行われる国際水産経済学会(IIFET)で、これらの点を国外の研究者等と意見交換する予定である。 以上の取り組みを通じて、より現実に即した研究を進めていきたいと考えている。
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