TMRセンターによる牧草サイレージ広域流通事業成立条件の解明
Project/Area Number |
23K14035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 41020:Rural sociology and agricultural structure-related
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
濱村 寿史 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (70462405)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 粗飼料 / 流通 / TMRセンター / 農地集積 / 土地純収益 / 牧草サイレージ / 広域流通 / コンジョイント分析 |
Outline of Research at the Start |
畑地型酪農地帯における粗飼料不足の解消と草地型酪農地帯における農地の維持に向けて、TMRセンターによる牧草サイレージの広域流通事業の成立条件を解明するため、牧草サイレージの商品生産に取り組む草地型酪農地帯のTMRセンターを対象として、経営資源の変化と事業選択の関係について分析し、経済的目標を明らかにするとともに、牧草サイレージを畑地型酪農地帯に販売した場合の地代負担力を計測し、事業成立のために必要となる価格水準を明らかにする。さらに、実需者である畑地型酪農地帯の大規模酪農経営等を対象として、コンジョイント分析を行い、価格向上のために求められる牧草サイレージの要件を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、草地型酪農地帯のTMRセンター3センターを対象として、経営資源の変化と事業選択の関係について分析し、牧草サイレージ広域流通事業成立に向けた経済的目標を明らかにした。また、うち2センターを対象として、牧草サイレージを外部に販売した場合の土地純収益を計測し、支払い地代と比較した。結果の概要は以下の通り。 1)Aセンター、Bセンター、Cセンターいずれも離農跡地の引き受けに伴い成牛換算1頭当り草地面積が増加傾向にある。構成員はTMR供給頭数に対して農地面積が過剰であると判断しており、牧草サイレージの一部を外部に販売している。成牛換算1頭当り農地面積はCセンター、Bセンター、Aセンターの順に多い。 2)Aセンター、Bセンターにおける牧草サイレージの外部販売の目的は余剰生産物の処分であり、明確な経済的目標は設定されていない。地域における平均的な価格水準で、平均的な品質の牧草サイレージを販売している。一方、Cセンターにおける牧草サイレージの外部販売は利潤の獲得を目的としており、構成員向け価格を上回る水準で、相対的に品質の良い牧草サイレージを販売している。庭先販売価格の水準はCセンター、Aセンター、Bセンターの順に高い。 3)Aセンターでは、牧草サイレージ生産に係る変動費が外部に販売した場合の庭先販売価格を下回っており、土地純収益もマイナスである。一方、Bセンターにおける土地純収益は支払い地代を上回っており、利潤が生じている。両者の差は面積当り生産費および単収の差に起因する。 以上から、余剰農地を多く抱えるTMRセンターにおける牧草サイレージ広域流通事業の経済的目標は利潤の獲得であり、目標実現のためには庭先販売価格の向上と生産費の低減が重要になると考えられた。また、庭先販売価格の向上のためには品質向上が需要になることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初の計画通り、草地型酪農地帯のTMRセンターを対象として、経営資源の変化と事業選択の関係について分析し、牧草サイレージ広域流通事業成立に向けた経済的目標を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、事例を追加し、牧草サイレージ広域流通事業成立に向けた経済的目標を明らかにするとともに、牧草サイレージを畑地型酪農地帯に販売した場合の地代負担力を計測し、経済的目標の達成状況と牧草サイレージ広域流通事業成立のために必要となる価格水準を解明する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)