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簡便な食品産地判別に向けた化学分離不要な米中ストロンチウム同位体比測定法の開発

Research Project

Project/Area Number 23K14053
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 41040:Agricultural environmental engineering and agricultural information engineering-related
Research InstitutionNational Institute of Advanced Industrial Science and Technology

Principal Investigator

有賀 智子  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (40784111)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Keywords産地判別 / ストロンチウム同位体比 / 米 / トレーサビリティ / トリプル四重極ICP-MS / マルチコレクターICP-MS
Outline of Research at the Start

食品産地判別のトレーサビリティ指標として有用性が示唆されているストロンチウム同位体比(87Sr/86Sr)に着目し、食品産地判別技術の簡便化・低コスト化を目指して、煩雑な試料前処理が不要な87Sr/86Sr同位体比測定技術の開発を行う。具体的には、トリプル四重極型誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS/MS)のリアクションモードを使用し、従来は固相抽出等の煩雑な化学分離操作を経て行われるSr分離を、リアクションガスとの反応性の違いを利用してICP-MS/MSの装置内にてインラインで達成する。本法は作業工程を大幅に簡略化しており、実用的な食品産地判別技術としての活用が期待できる。

Outline of Annual Research Achievements

【研究の具体的な内容】
本研究では、トリプル四重極誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS/MS)を用いて、煩雑な化学分離が不要な米中ストロンチウム同位体比(87Sr/86Sr)測定技術の開発を目的としている。手法開発においては手法の妥当性確認が必要不可欠であるが、本研究では同位体比測定精度の高いマルチコレクター型 (MC)-ICP-MSによる測定値を参照値とし、その値に基づいて妥当性確認を行う予定である。2023年度は①MC-ICP-MSの測定条件の最適化と②固相抽出によるSr分離条件の最適化を行い、③最適化した手法で測定ターゲットとする米サンプルの87Sr/86Sr同位体比を測定し参照値を決定した。
【研究の意義・重要性】
②Sr分離条件の最適化:米をはじめとする穀類はルビジウム(Rb)やカリウム(K)等の夾雑元素を多く含む一方、Sr濃度が非常に低いという特性を有する。RbはMC-ICP-MSを用いた87Sr/86Sr測定において深刻なスペクトル干渉の原因となるため完全な除去が必要であり、Kは固相抽出によるSrの回収率を低下させるため注意が必要である。穀類のこれらの特性は固相抽出によるSr分離を困難にしており、効率的なSr分離のためには分離条件の検討が必要不可欠である。しかしながら、先行研究では穀類に関してこのような検討を行った例はなかった。本研究では穀類をターゲットに分離条件の検討を行い、Sr回収率95 %以上、Rb/Sr濃度比0.001 %以下という良好な分離を達成できた。この内容については論文として取りまとめ、現在投稿中である。
③参照値の決定:測定ターゲットとする米サンプルの87Sr/86Sr同位体比参照値を得られたことから、この値を基準として2024年度以降順次行う予定であるICP-MS/MSを用いた手法開発の妥当性確認を行うことが可能となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2023年度は研究開始時の実施計画の通り、①MC-ICP-MSの測定条件の最適化と②固相抽出によるSr分離条件の最適化を行い、③最適化した手法で測定ターゲットとする米サンプルの87Sr/86Sr同位体比を測定し参照値を決定した。研究の結果については論文として取りまとめ現在投稿中であり、本研究は順調に進展している。なお、設備備品として当初購入予定であった「ペティエ温調スプレーチャンバー」と「マイクロシリンジポンプ」は代用品を使用可能であったため、購入しなかった。余剰分の研究経費は円安の影響で価格が上昇している「固相抽出カラム」等の消耗品の購入に充てる予定である。

Strategy for Future Research Activity

2024年度以降は下記の検討を順次行う。①リアクションガス種と反応条件、測定条件の最適化:ICP-MS/MSで使用するリアクションガス種とガス流量等の反応条件を最適化するとともに、同位体比測定精度向上のためにイオン信号の積分時間、積算回数等の測定条件の最適化を行う。また、後述のように本研究では88Sr/86Sr同位体比の質量差別効果補正係数を87Sr/86Sr同位体比の補正に利用する予定であるが、天然での88Srと86Srの同位体存在度はそれぞれ82.6 %と9.9 %と10倍程度の開きがあることから、ICP-MS/MSによる測定では両者のPAファクターの設定を工夫する必要がある。そこでPAファクターの調整も行う。②質量差別効果の補正方法の検討:同位体比測定における質量差別効果補正の手法として、一般的には88Sr/86Sr同位体比の質量差別効果補正係数を利用した内部補正法のほかNIST SRM 987を用いた挟み込み法等が用いられている。米はKやCa等多くのマトリクス元素を含むため挟み込み法での補正が難しいと考えられることから、本研究では主に内部補正法を用いた質量差別効果補正手法を検討する。③測定法の妥当性確認:2023年度にMC-ICP-MSにより求めた参考値を用いて測定法の妥当性確認を適宜行いながら条件検討を進める。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023

All Presentation (4 results)

  • [Presentation] 重元素同位体比測定技術が解き明かす生命・食糧・環境2024

    • Author(s)
      有賀 智子
    • Organizer
      日本農芸化学会2024年度大会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] マルチコレクター型誘導結合プラズマ質量分析法を用いた有機物中低濃度ストロンチウム同位体比測定―地球化学的手法の農産物への適用―2023

    • Author(s)
      有賀 智子、三浦 勉、後藤 孝介、下田 玄
    • Organizer
      2023年度日本地球化学会第70回年会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] MC-ICP-MSを用いたストロンチウム同位体比測定に及ぼすコーンの組み合わせの影響2023

    • Author(s)
      有賀 智子、申 基チョル、成川 知弘
    • Organizer
      2023年度日本分析化学会第72年会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] MC-ICP-MSを用いたストロンチウム同位体比測定に及ぼす コーンの組み合わせの影響2023

    • Author(s)
      有賀 智子、申 基チョル、成川 知弘
    • Organizer
      第13回同位体環境学シンポジウム
    • Related Report
      2023 Research-status Report

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Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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