Project/Area Number |
23K14073
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 42010:Animal production science-related
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
瀧澤 修平 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 研究員 (20891386)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | ルーメン / 微生物 / シングルセル / 分離培養 / 飼料分解 / ルーメン微生物 / 培養 / 植物繊維 / ゲノム |
Outline of Research at the Start |
反芻家畜は、第一胃(ルーメン)内に生息する細菌が牧草などの植物繊維を分解した短鎖脂肪酸を栄養として利用する。反芻家畜による植物繊維の分解・利用性を最大化するためには、多種多様な植物繊維分解細菌の機能を正確に理解する必要がある。しかし、ルーメン細菌種の多くはいまだに培養できておらず、培養できない細菌が発現する酵素、植物繊維への付着性など詳細な機能を解明する手段がない。そこで本研究は、近年開発された未培養細菌を含めた微生物細胞を効率的に分離できるシングルセル化技術をルーメン内植物繊維分解菌に応用し、未培養細菌のゲノム取得と培養化によって未培養細菌の機能を詳細に明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
反芻家畜のルーメンにおいて未培養の細菌が植物繊維の分解に寄与することが示唆されているが、いまだ多くのルーメン細菌が分離されておらず、飼料を構成する繊維への付着性や分解機能は分かっていない。本研究は、シングルセル化技術を用いてルーメン細菌を効率的に分離培養し、飼料に付着する未培養細菌の機能を明らかにすることを目的とした。本年度は、フィステル牛を用いてナイロンバッグに封入したチモシー乾草の消化試験を行い、ルーメン細菌の群集構造と多糖分解酵素活性を分析するとともに従来のロールチューブ法を用いた分離培養を行った。 チモシー乾草に付着するルーメン微生物群集構造は消化過程で変化し、消化0.5時間目から72時間にかけて繊維成分を分解した。抽出したタンパク質をSDS-PAGEおよびザイモグラムに供した結果、消化0.5時間目では飼料表面上で多糖分解酵素活性がほとんど検出されなかったが、消化24時間以降に多糖分解酵素活性が大きく高まることが明らかになった。 シングルセル化技術を用いた分離培養で得られる細菌相と比較するため、本年度はまず従来のロールチューブ法によって飼料付着性ルーメン細菌を分離培養した。その結果、Butyrivibrio属やPseudobutyrivibrio属などに属する106株が分離され、そのうち46株が既知の分離株と相同性が97%以下であった。また、ロールチューブ法で分離された細菌群集は、16S rRNA遺伝子V3-V4領域のアンプリコンシーケンスで検出された細菌群集の多様性よりも低く、培養法によるバイアスが生じていることが示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
植物繊維付着細菌群集の多糖分解特性や多糖分解酵素活性の経時的な変化に関して計画通り知見が得られている。また、従来のロールチューブ法による分離培養で得られる細菌群集を明らかにしており、次年度から取り組むシングルセル化技術を用いた嫌気培養の準備を着実に進めたことから、おおむね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
シングルセル化技術を用いた分離培養のハイスループット化に必要な実験機器の入手を進めるとともに、シングルセル化および嫌気培養の条件を最適化することで、これまで培養できなかった飼料付着性ルーメン細菌の分離培養を加速する。また、分離株が発現する多糖分解酵素についてタンパク質やゲノムを解析することで明らかにし、飼料分解における役割に関する知見を得る。
|