Project/Area Number |
23K14084
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
今井 啓之 山口大学, 共同獣医学部, 助教(テニュアトラック) (60826155)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 倍数体 / 多倍体 / 胚 / 細胞外マトリクス |
Outline of Research at the Start |
全ゲノムの倍化する多倍体化は生物一般で起こる。しかし哺乳類の多倍体はこれまでに誕生しておらず、潜在的な哺乳類進化・産業応用の可能性が残されている。多倍体化による胚致死に至る発生イベントは子宮内で起こるため、多くが未解明である。これまでに多倍体化により細胞外マトリクス(ECM)との相互作用が変動する可能性を明らかにした。本研究では、多倍体胚発生異常の起点としてのECMを介した多倍体胚特有の着床機構を解明する。本研究は子宮内での多倍体胚特有の異常発生機構の起点を解明するものであり、将来的な多倍体哺乳類誕生に向けた学術的基盤を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
全ゲノムの倍化する多倍体化は生物一般で起こる現象であり、多倍体化は生物にとって有益・有利にはたらく。具体的には大型化や病原耐性・環境耐性が挙げられる。しかしながら多倍体化した哺乳類はこれまでに誕生しておらず、潜在的な哺乳類進化・産業応用の可能性が残されている。これらの哺乳類の多倍体化胚は例外なく致死となるが、この多倍体胚致死に至る発生イベントは母体の子宮内で起こるため、解析にあたってアクセスしづらくその多くが未解明である。これまでの研究では従来の多倍体胚のみを解析する研究のスループットを改良したin vitroモデルである幹細胞系譜の構築と、2倍体と4倍体のみの比較にとどまらない倍数性を変数として捉える倍数性系譜の作出に成功した。その実験系を活用したところ、胚を構成する細胞の多倍体化により細胞外マトリクス(ECM)との相互作用が変動する可能性を明らかにした。本研究では、多倍体胚発生異常の起点としてのECMを介した多倍体胚特有の着床機構を解明する。本研究を特徴づける点として、複数の多倍体胚を比較する「倍数性系列」およびin vitroモデルとして「幹細胞系譜」に加え、胚発生時の遺伝子発現制御の胚スループット撹乱方法として「AAVベクター」があげられる。本研究は子宮内での多倍体胚特有の異常発生機構の起点を解明するものであり、将来的な多倍体哺乳類誕生に向けた学術的基盤を構築し、学術及び産業応用の可能性を開拓する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では到達目標を4つ掲げている(①脱落膜におけるECM局在、②特異的AAV探索、③胚発生の撹乱操作、④分子メカニズム解明)。本年においては①、②および③について取り組み、達成または一部達成した。まず①についてECM局在について解析を行った。その結果、着床期の脱落膜で発現が見られるECM群の同定に至った。現在、免疫染色による確認作業を行なっている。②について、本年では胚特異的AAVの探索とタイターの決定を行なった。既報通り血清型6の感染効率が高いことがわかり、感染力価を設定した。現在子宮内膜細胞への導入を検討している。③について、胚の遺伝子発現操作を行なった。shRNAによる発現抑制を可能とするコンストラクトを構築し、胚への感染実験を行った。その結果、仮説に反して一部の遺伝子において胚発生率が改善する結果を得て、現在再現性などを含めた検証実験を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り本研究課題では到達目標を4つ掲げている(①脱落膜におけるECM局在、②特異的AAV探索、③胚発生の撹乱操作、④分子メカニズム解明)。初年度において①脱落膜におけるECM局在をほぼ完了し、②特異的AAV探索の半分程度を達成、③胚発生の撹乱操作の開始に至った。本結果を受けて2年目ではECMの免疫染色による局在確認を行い、到達目標①を完了させる。また子宮内膜および脱落膜に特異的なAAVの探索を行い、到達目標②の完了を予定する。③について現在in vitroの実験を開始し、in vivoへの実験への展開を予定する。④については本年予定しない。
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