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イヌ弁膜疾患に対する可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬の新規適用に向けた基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 23K14092
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
Research InstitutionKitasato University

Principal Investigator

亀島 聡  北里大学, 獣医学部, 准教授 (80826363)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Keywords変性性僧帽弁疾患 / 可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬 / トランスフォーミング成長因子 / 心臓弁間質細胞 / 心臓弁内皮細胞 / 形質転換 / 粘液腫様変性性僧帽弁疾患 / 骨形成蛋白質
Outline of Research at the Start

犬で最も多い心疾患である粘液腫様変性性僧帽弁疾患(MMVD)は、弁膜の構造変化が原因となりうっ血性心不全へと進行する致死性疾患である。MMVDに対する薬物療法は悪化した血流を改善することを目的としており、弁膜の構造変化そのものを抑制する治療薬はない。可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬は、ヒト医学領域において肺高血圧症および慢性心不全に対する治療薬として使用されているが、弁膜の構造変化に及ぼす影響は検討されていない。そこで本研究では、sGC刺激薬をMMVDに対する新たな治療薬とするための基礎データを得ることを目的とし、MMVDモデル動物、摘出弁膜組織、弁膜構成細胞を用いて幅広く検討する。

Outline of Annual Research Achievements

粘液腫様変性性僧帽弁疾患(MMVD)は犬で最も多い進行性かつ致死性の心疾患である。病態は弁膜変性の進行に伴い徐々に悪化するが、現在その変性そのものを抑制する治療薬は無い。トランスフォーミング成長因子(TGF)βは、心臓弁の構成細胞である弁間質細胞および内皮細胞の形質を変化させ、弁層構造の破壊、無秩序な線維増生、ムコ多糖の蓄積などを誘導することで弁膜を肥厚させる。可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬はTGFβによる線維化を抑制的に制御することが報告されている。そこで令和5年度は、TGFβによる弁構成細胞の形質転換(間質細胞:筋線維芽細胞様変化、内皮細胞:内皮間葉転換)に及ぼすsGC刺激薬リオシグアトの影響を検討した。リオシグアトはラット心臓弁間質細胞(rVICs)において、TGFβによる筋線維芽細胞マーカーα-smooth muscle actin (SMA)の発現増加、およびそれに伴うコラーゲンゲル収縮の増強を抑制した。一方、リオシグアトはヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)において、TGFβシグナル分子であるSmad2およびSmad3のリン酸化を抑制した。以上より、リオシグアトがTGFβによる心臓弁構成細胞の形質転換を抑制的に制御する可能性が示唆された。しかし、形質転換の表現系に及ぼす影響の評価や抑制メカニズムの解明に向けた解析が不十分であるため、現在はそれらの検討を継続している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

1年目となる令和5年度は、TGFβによるrVICsの筋線維芽細胞様変化に及ぼすsGC刺激薬リオシグアトの影響を検討した。rVICsにおいてTGFβは、筋線維芽細胞マーカーであるα-SMAの発現レベルを有意に増加させ、それに伴うコラーゲンゲルの収縮張力を増強させた。リオシグアトはそれらを抑制した。一方、TGFβはrVICsにおけるシグナル分子Smad2およびSmad3のリン酸化を亢進したが、リオシグアトはこれに影響を及ぼさなかった。よって、リオシグアトはSmad経路とは異なる経路(MAPKシグナル経路、Wnt/β-cateninシグナル経路)の制御を介して、TGFβによるrVICsの筋線維芽細胞様変化を抑制する可能性が示唆された。
また、TGFβによるHUVECの内皮間葉転換に及ぼすリオシグアトの影響を検討した。HUVECにおいてTGFβは、Smad2およびSmad3のリン酸化を亢進し、リオシグアトはこれらを抑制した。現在、内皮間葉転換のマーカーであるSnail, Slug, SM22α, Claudin5のmRNA発現の変化に及ぼすリオシグアトの影響を検討中である。
1年目はTGFβによる弁構成細胞の形質転換に着目した検討を行ったが、十分な解明に至らなかったため、「やや遅れている」と評価した。

Strategy for Future Research Activity

2年目となる令和6年度は、1年目で着手したTGFβによる弁構成細胞の形質転換に及ぼすリオシグアトの影響について、その詳細な作用機序解明に向けた検討を継続する。しかし、その検討を遂行できない場合には、他のsGC刺激薬であるvericiguatの影響を検討するとともに、弁膜変性を促進的に制御する骨形成タンパク質(BMP)による弁構成細胞の骨芽細胞様変化に及ぼすsGC刺激薬の影響を検討する。加えて、ラット摘出僧帽弁の器官培養によるTGFβ誘導性MMVDモデルを用いて、その弁膜変性および肥厚に及ぼすsGC刺激薬の影響を検討する。なお、イヌ僧帽弁由来間質細胞を入手したため、それを用いてsGC刺激薬による抗TGFβ作用の検討を行う可能性も視野に入れている。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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