Project/Area Number |
23K14113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 42040:Laboratory animal science-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷 春菜 東北大学, 加齢医学研究所, 特任研究員(日本学術振興会特別研究員PD) (70930303)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | ミトコンドリア / ミトコンドリアゲノム / モデルマウス / 塩基編集 |
Outline of Research at the Start |
mtDNAに生じる点変異は、ミトコンドリア病と称される代謝疾患やがん、糖尿病などの原因となる。mtDNA変異が関与する疾患群の発症機構の解明および治療法の創出には、変異型mtDNAを導入したモデルマウスが不可欠であるが、mtDNAへの変異の導入ならびにミトコンドリア病モデルマウスの作製は技術的な困難性が高く、現在まで変異型mtDNAを有するモデルマウスは僅かしか樹立されていない。 本研究では、近年報告されたmtDNA編集技術をマウスに応用することで、mtDNAに特定の変異を有する新規モデルマウスの効率的な作製に挑戦し、ミトコンドリア病発症機序の解明と治療法開発につながる生物資源の確立を狙う。
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Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアDNA (mtDNA) に生じる病原性突然変異は、ミトコンドリア病と称される代謝疾患やがん、神経変性疾患、老化などの原因になる。mtDNA変異が関与する様々な疾患の発症機構の解明および治療法の開発には、変異型mtDNAを導入したモデルマウスが不可欠である。しかしながら、mtDNAへの変異の導入ならびにミトコンドリア病モデルマウスの作製は技術的困難性が非常に高いため、変異型mtDNAを有するモデルマウスは未だ僅か数ラインしか存在しておらず、疾患発症機序の解明や創薬研究に対する大きな障壁となっているのが現状である。 本研究では、近年開発されたmtDNA特異的塩基編集技術をマウスに応用することで、mtDNAにミトコンドリア病患者と相同の病原性変異を有する新規モデルマウスの樹立を目指し、それらマウスにおける表現型解析を介して、ミトコンドリア病の詳細な発症機序の解明および創薬研究に向けたバイオリソースとしての有用性の検討を図る。現在、mtDNA塩基編集ツールをマウスへ応用するため改良を重ね、マウス培養細胞内での発現量および局在の最適化を行った。こうしたmtDNA塩基編集ツールを発現させた細胞において、既に特定のマウスmtDNA標的部位に対する一塩基置換の誘発を確認できている。 今後は、実際にモデルマウス樹立へ向けて変異型mtDNAの濃縮を進めると同時に、標的の変異型mtDNAを有する細胞を用いたミトコンドリア機能解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り、初年度で、先行研究ではヒト細胞にて活性が確認されていたmtDNA塩基編集ツールについてマウス細胞への使用にむけた最適化を進める事ができた。また最適化した塩基編集ツールの細胞内発現により、マウスmtDNAの標的部位特異的に一塩基置換を誘導することに成功しており、モデルマウス作製にむけて順調に実験計画を遂行することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
塩基編集ツールにより誘発したmtDNA変異は、細胞内におけるヘテロプラスミー率が低く、現時点では病態を発揮するに至らないと考えられる。従って、今後クローニングを繰り返すことで変異型mtDNAの割合を高めていく必要がある。変異型mtDNAを高率に有する細胞を基にモデルマウス作製を進めると共に、マウス培養細胞を用いて呼吸鎖複合体活性や代謝物に着目したミトコンドリア機能解析を行う予定である。
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