Project/Area Number |
23K14144
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 43030:Functional biochemistry-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
中尾 裕之 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (00805020)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | フリップフロップ / スクランブラーゼ / 膜貫通ペプチド / リン脂質 / ホスファチジルセリン / 貪食 |
Outline of Research at the Start |
がん腫瘍には細胞を貪食・除去する作用をもつ免疫細胞、マクロファージが集積しているが、がん細胞との間の免疫チェックポイント相互作用により、貪食作用が抑制されている。このマクロファージががん細胞を貪食するよう誘導できれば、がんの除去に利用することが可能になる。本研究では、応募者が開発した脂質スクランブリングペプチドによるPS露出が免疫チェックポイントを上回って、マクロファージの貪食を誘導できるかを明らかにする。本研究は、脂質スクランブリングによるPS露出を介してマクロファージによるがん細胞の貪食を誘導する、というがん免疫療法の新規戦略を開発する上で基盤となる研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
がん腫瘍には細胞を貪食・除去する作用をもつ免疫細胞、マクロファージが集積しているが、がん細胞との間の免疫チェックポイント相互作用により、貪食作用が抑制されている。このマクロファージががん細胞を貪食するよう誘導できれば、がんの除去に利用することが可能になる。応募者は、細胞の形質膜において内層と外層の脂質を混合する(脂質スクランブリング)ペプチドを開発した。本研究では、このPS露出が免疫チェックポイントを上回って、マクロファージの貪食を誘導できるかを明らかにする。本研究は、脂質スクランブリングによるPS露出を介してマクロファージによるがん細胞の貪食を誘導する、というがん免疫療法の新規戦略を開発する上で基盤となる研究である。これまでに開発したペプチドでは、PS露出度がある一定のところで活性が飽和してしまう。そこで本年度は、より活性の高いペプチドの開発に取り組んだ。応募者はこれまでの研究で、膜貫通ヘリックスの同一面に親水性残基を並べると脂質スクランブリング活性が相 乗的に上昇することを見出している。この知見をPS露出ペプチドに応用し、高活性化を行う。親水性残基としてArg、Lys、Hisなどを導入したペプチドを合成し、リポソームを用いたモデル膜系で脂質スクランブリング活性を評価した。いずれのペプチドもこれまでに開発したGlnが1残基のペプチドと比較して高い活性を示した。また、CDスペクトルから膜に添加したペプチドがヘリックス構造を形成することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
想定通り、膜貫通領域に配置する親水性残基の数を増加させることで、ペプチドの活性を増大させることに成功した。これらのペプチドを用いてPS露出度の高い細胞の調製が期待されるため、本研究課題は当初の研究計画通りに進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は高活性ペプチドを培養細胞に作用させ、PS露出度の高い細胞の作製に取り組む。貪食実験に適切なマクロファージについても検討を行う。
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