Project/Area Number |
23K14163
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 43050:Genome biology-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田路 矩之 北海道大学, 大学院教育推進機構, 助教 (20866371)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 動物行動 / ソングバード / ゲノム進化 / Single cell RNA-seq / 細胞の進化 / Single cell ATAC-seq / 神経行動学 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は行動進化の神経基盤となる神経機能特性の種分化が、ゲノムのどんなな変異からどんなメカニズムによって駆動されるのかを解明することである。そのために音声発声学習能をもつ鳴禽類ソングバードの歌学習行動の種間多様性に着目した研究を進める。これまでの研究で歌学習行動を制御する神経核において、興奮性投射ニューロン特異的に遺伝子発現が種によって大きく異なることを発見した。本研究ではこの発見を土台として、ゲノムに集積した変異が興奮性ニューロンの種差をどのように形成するのかを解明するため、ゲノム構造および転写調節領域の種間比較を行う。また、細胞外環境の種特異的な遺伝子発現パターンへの関与を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は行動進化の神経基盤となる神経機能特性の種分化が、ゲノムのどんな変異からどんなメカニズムによって駆動されるのかを解明することである。そのために音声発声学習能をもつ鳴禽類ソングバードの歌学習行動の種間多様性に着目した研究を進める。これまでの研究で歌学習行動を制御する神経核において、興奮性投射ニューロン特異的に遺伝子発現が種によって大きく異なることを発見した。本研究ではこの発見を土台として、ゲノムに集積した変異が興奮性ニューロンの種差をどのように形成するのかを解明するため、ゲノム構造および転写調節領域の種間比較を行う。また、細胞外環境の種特異的な遺伝子発現パターンへの関与を検証する。 初年度である本年度は、ゲノム構造が未知のソングバート種について、ロングリードシークエンスによる高品質リファレンスゲノム構築を行った。先進ゲノム支援を活用し、当初予定していたキンカチョウの最近縁種であるサクラスズメ、カノコスズメに加えて、分岐年代がやや離れた姉妹群にあたるジュウシマツ、ヘキチョウ、コシジロキンパラのゲノムについても高品質なゲノムアセンブリに成功した。これらゲノムの大規模構造比較を行った結果、鳥類の雄性染色体であるZ染色体に特に顕著な構造的種差が生じていることを特定した。 現在、キンカチョウの遺伝子情報やそれぞれの種のRNAシークエンスデータを基にゲノムに遺伝子のアノテーションを付与し、シングルセルATAC-seqを実施する準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2023年度に予定していた2種に加え、追加で3種、計5種のゲノムアセンブリに成功した。これらアセンブリは複数の品質評価項目においてキンカチョウのリファレンスゲノムと同等かそれ以上であることが示された。これらリファレンスゲノムをATAC-seqや大規模構造の種間比較に用いることで、種差を生み出すゲノム領域が明らかになることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度はアセンブルを行ったリファレンスゲノムの遺伝子アノテーションを完成させ、それらをもとにゲノムの構造比較を行う。 またこれらリファレンスゲノムを基に、北海道大学内でセットアップを完了したsingle cell ATAC-seqの実験系を用いて、まずキンカチョウとカノコスズメ、サクラスズメの遺伝子転写調節領域の種差を同定する。
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