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がん細胞と正常細胞での分裂期における個々の染色体動態の違いの解明

Research Project

Project/Area Number 23K14174
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 44010:Cell biology-related
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

國安 絹枝  東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (80843127)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Keywords染色体動態 / 染色体分配
Outline of Research at the Start

本研究は、任意の染色体を生きた細胞で可視化・追跡するシステムを用いて、分裂期を通した個々の染色体の動態に、がん細胞株と正常細胞株間でどのような差があるのかを明らかにすることを目的とする。これまで技術的な問題から任意の染色体を生きた細胞で標識し、他の染色体と区別して観察することは困難であり、どのような染色体が整列する際に遅れやすいのかという問題については解明できていない。そこで、CRISPR-dCas9法を応用した染色体ラベリングシステムを構築し、個々の染色体の分裂期を通した動きを調べることにより、なぜがん細胞では染色体が遅れて整列し、分配異常へ至りやすいのかを明らかにする。

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、任意の染色体を生きたヒト体細胞で可視化・追跡するシステムを用いて、分裂期を通した個々の染色体の動態に、がん細胞株と正常細胞株間でどのような差があるのかを明らかにすることを目的とし、CRISPR-dCas9法を応用した染色体標識による観察システムを構築した。任意の染色体として、ヒト体細胞における1番、2番、7番、15番、16番染色体のセントロメア領域付近の特異的なリピート配列を標的とした蛍光タンパク質と結合するアプタマーを付加したsgRNAを作成し、これがヌクレアーゼ活性を欠損したdCas9とDNA上に結合することで、任意の染色体のセントロメア領域付近を生きた細胞で可視化した細胞株を作出した。また、この作出した細胞株に、蛍光標識したタンパク質を発現させることで、染色体以外にも同時にライブセルイメージングによる観察が可能な細胞株を作出した。これらの細胞株を用いて、染色体腕部に局在するモーター分子Kid、KIF4Aを単独あるいは共に発現抑制した場合や、薬剤処理を行った場合でのライブセルイメージングによる解析を行なった。
結果、染色体の大きさの違いにより、分裂期を通した個々の染色体の動態に特性があることが見出された。また、正常細胞株とがん細胞株での染色体の動態の違いについては、がん細胞株ではゲノム不安定性を有するため、任意の染色体の可視化および正常細胞株との比較した解析に、さらなる検討が必要であることが明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は、任意の染色体を生きた細胞で可視化・追跡するシステムを用いて、分裂期を通した個々の染色体の動態に、がん細胞株と正常細胞株間でどのような差があるのかを明らかにすることを目的とした研究である。本研究で用いる任意の染色体を可視化した細胞株において、当初の研究計画では、染色体の腕部を可視化の標的としていた。染色体分配の過程では、染色体は紡錘体中央部に整列した後に両極へと分配される。この染色体の動態の制御の中心となるのは、セントロメア領域に形成された動原体と微小管との結合である。核膜崩壊後、染色体はCENP-Eなどのモーター分子によって微小管の側面に結合した状態(側面結合)で、紡錘体中央部に向けて移動する。最終的に全ての姉妹染色分体の動原体が双方向の極から伸びる微小管の末端と結合(双方向性結合)することで、染色体は娘細胞へと正確に分配される。染色体の腕部が可視化された染色体では、染色体の動きの中心となる動原体から離れており、モーター分子により制御を受ける染色体の正確な動態の計測に至らない可能性が考えられた。そこで、本研究では、動原体が形成されるセントロメア領域付近の特異的なリピート配列を標的とした蛍光タンパク質と結合するアプタマーを付加したsgRNAを作成し、これがヌクレアーゼ活性を欠損したdCas9とDNA上に結合することで、任意の染色体のセントロメア領域付近を生きた細胞で可視化した細胞株を作出した。任意の染色体でセントロメア付近を可視化することにより、当初の研究計画よりも正確な染色体の動態を可視化し観察するシステムを構築することができ、研究の進展に大きな影響をもたらせたことが、自己点検による評価の理由である。

Strategy for Future Research Activity

樹立した細胞のライブ観察を行う。薬剤処理で可視化した全染色体の動態から、1)核膜崩壊、2)全部の染色体が整列する時間、3)分裂期後期に移行する時間を測定する。ラベルした染色体の動態から、1)染色体が動き出す時間、2)紡錘体に到達する時間、3)整列する時間、4)分配される時間を測定する。この両者を比較し、1)核膜崩壊からラベルした染色体が動き出すまでの時間、2)ラベルした染色体が動き出してから紡錘体に到達するまでの時間、3)ラベルした染色体が紡錘体に到達してから整列するまでの時間、4)ラベルした染色体が整列してから全ての染色体が整列するまでの時間、5)ラベルした染色体が整列してから分裂期後期に移行する時間が導かれるので、これらをRPE-1細胞とU2OS細胞で比較する。これによりラベルした染色体の正常細胞株とがん細胞株での、①微小管による動原体の捕捉、②紡錘体への移動、③紡錘体中央部への移動の違いを明らかにする。④染色体分配異常が見られた場合は、どの染色体がどのような動態で染色体分配異常に至ったのかを調べる。また、Condensin IIまたは、Lamin A/C、B1、B2の発現抑制を行い、核内・紡錘体内での染色体の位置に及ぼす影響を調べることで、核膜崩壊時の染色体の位置とその後の動態の関連性を明らかにする。さらに、染色体分配の際、染色体腕部に結合し、染色体が赤道面へより効率よく整列するために機能するモーター分子を発現抑制し、正常細胞およびがん細胞でライブ観察を行う。また、染色体塗抹標本を作成し、蛍光免疫染色法にて、それぞれの染色体の腕部に結合したモーター分子の定量比較を行い、染色体腕部にモーター分子によってかかる力の違いが染色体の動態にどのように寄与しているのかを明らかにする。
正常細胞株とがん細胞株での個々の染色体レベルでの動態の違いと、それがどのように高頻度の染色体分配異常につながるのかを明らかにする。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (5 results)

All 2024 2023 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Presentation (4 results)

  • [Int'l Joint Research] Queen Mary University of London(英国)

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      第2回 細胞分裂研究会
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      國安 絹枝,田中 耕三
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      第7回加齢研リトリート
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Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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